◆かつて島津ゆたかとのデュエット曲「いい男!いい女!」(1994年)で70万枚の大ヒットを記録した林よしこがビクターエンタテインメントに移籍して2016年4月20日、大阪・淀川を舞台に歌う「淀川みれん」(作詞・曲たきのえいじ、編曲石倉重信)を出した。淀川をタイトルにして淀川を歌っているのはあらゆるジャンルの楽曲で初めてと言われ、淀川の近くに位置する十三(じゅうそう)が創業の地で、今も本店を置くがんこフードサービス(大阪市淀川区)の小嶋淳司社長もバックアップ。林は発売日の前日には同本店の隣りでミニライブを開き、集まったたくさんの人たちから声援を受けていた。









 ミニライブに先駆けて毎年正月には十三戎で賑わう神津神社でヒット祈願をした林は「淀川のすぐそばにある十三はパワーのある街でヒットにつながる予感がします」と話していた。
 新曲「淀川みれん」は本格演歌であるが「昭和の映画の1シーンを切り取ったような内容」(林)で、集まった人たちには懐かしく感じられるメロディーのようでもあった。



神津神社でヒット祈願

 林は前作でメジャーへ復帰を果たしていたが、今作からは所属レコード会社をビクターエンタテインメントに移し、今までの個人事務所から在阪の事務所に替えて心機一転。
 十三の街は林が13年に本格的に歌手活動を再開したときに、今は廃業しているCDショップの店頭で歌唱キャンペーンを行った想い出の地。それだけに「淀川を舞台にした歌を歌えるのはうれしいです」と林。

 林は地元テレビ局のカラオケ番組に出場して優勝したのがきっかけで、1994年に歌手デビューしている。デュエット曲ながらデビュー曲の「いい男!いい女!」はいきなりヒットした。ところが初めての芸能界では緊張とプレッシャー、不安の毎日が続いた。とうとうそれが原因でわずか半年で歌手を休業。実家のある兵庫県川西市へ帰ってからはインディーズでCDを出して細々と歌い続けていた。




 しばらくしてメジャー復帰が実現した。その時に出した「春を抱いて眠りたい」は第46回日本作詩大賞の最優秀新人賞を受賞している。翌14年には夫を亡くしており、喜びと悲しみを相次いで経験している。そして再々メジャーデビューのつもりでさらに大きく飛躍しようと、本人も自信満々の楽曲を手にした。

 神津神社から十三・栄町商店街の中にあるがんこ本店の隣りに特設ステージに場所を移して開いたミニライブには、がんこフードサービスの小嶋社長など彼女の応援者が顔を見せるとともに、通りを行く人たちも足を止めて林が歌う新曲「淀川みれん」に耳を傾けていた。



 ミニライブでは「淀川みれん」のほかカップリングの「ときめいて」、林が大好きだという西田佐知子の「東京ブルース」もカバーした。また久しぶりにデビュー曲「いい男!いい女!」も披露。それを聴く観客の中には写真を撮る人、ペンライトを振って応援する人、がんばれ~と声援を送る人など大阪らしさを感じさせる賑わいだった。

 林は「この『淀川みれん』を大阪・十三からヒットの火をつけて全国へ浸透させ、日本中を林ファンで<モーラ>したい」と話していた。





[林よしこ ビクターエンタテインメント]
http://www.jvcmusic.co.jp/-/Artist/A025436.html