指一本で弾けるので、楽器の心得があれば高齢者でも簡単に演奏できるのでバリアフリー楽器とも呼ばれている。今年3月には演奏曲13曲を収録したCD「サウンド・オブ・マリアハープ」を発売した。
それを記念して19世紀の古いギターとのジョイントコンサートもひらき、新しい楽器であるマリアハーブの普及に力を入れる。
「珍しい楽器なので皆さんに興味を持って頂きました。その後も各地でコンサートを開いており、喜んでもらえるのがうれしいです」
兵庫県内の実家は天台宗の寺院。自らも得度して僧侶になった。
それでも短大では音楽と共に好きな美術を専攻したが、仕事は音楽を選んだ。ヤマハの音楽講師などを経て、音楽を基礎から学ぼうと40代で兵庫教育大学に入学したというバイタリティーを持つ。
レディースマラソンなど町を元気づけるイベントを応援する歌を作るなど、多彩な活動を続けてきた。
3年前の初代「マリアハープ」はリハビリを目的としたものだったが、今度はさらに音楽性の高いものをと改良し、このほど重さ900g、弦は18本という、さらにコンパクトにした2代目を完成させた。
値段も以前は7~9万円程度だったが、今回は20万円余と本体の材質を良くしたほか、色も選べるようにしている。
「赤ちゃんをだっこするように抱えて演奏できます。ですから老人方をはじめ誰にでも馴染んでもらえ易い、ユニバーサルデザインな楽器です」
3月に制作したアルバムCDは、「アメイジング・クレイス」や「ムーン・リバー」「コーヒールンバ」「ダニー・ボーイ」など、マリアハープの演奏と自身の歌唱を収めた。
その直後、昨年から始めたフェイスブックで交流を持っていた岩手県大船渡市のローカル新聞社「東海新報社」の臼井圭一さんの仲介で、東日本大震災で被災した人たちにCDを届けてもらったことで、ハープの音色が被災地に響かせることができた。
「私も一度は現地を訪ねて、マリアハープの演奏を生で聴いてもらいたいです」
初代の「マリアハープ」を作ってから20人が今も、演奏の練習を行っている。しかし演奏を指導する人は、まだ育っていないという。
「早く指導者を育てて引いて頂ける人たちを増やして、柔らかな和みの音色を楽しんでもらいたい」
11月25日には広島市内でオルゴールなどとのジョイントコンサートを予定している。
[マリア味記子]
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