この日、司会を務めたのは去年3月に亡くなった桂米朝の弟子、桂団朝。早速、「北原たかしとかけて、マツコデラックスのパンツのゴムととく」と得意のなぞかけ。その心は「伸びる一方」と応えると、会場からは大きな拍手が沸き起こった。その勢いに乗って北原はデビュー曲の「最後に微笑んで」を歌って、歌謡ショーの幕開け。
秋元順子の「愛のままで」湯原昌幸の「あなたに薔薇よりくちびるを」「夢なかば」やしきたかじんの「たった一人のアンコール」ニック・ニューサの「母に捧げるレクイエム」などをカバー。
ラストに再度「最後に微笑んで」と「酔わせてよ」を歌った北原は「歌で人々の心を打つ歌い手になるのが目標です」と話していた。
特別ゲストの木下あきらは、北原が「心の師匠」と呼んではばからない先輩歌手。昭和から現在に至るまで一貫してムード歌謡を歌い続けている。デビュー曲は秋庭豊とアローナイツのボーカルで歌った「中の島ブルース」。当時は内山田洋とクールファイブと競作になった。
木下あきら
この日は、その「中の島ブルース」や、木下のデビュー30周年を記念して杉本眞人が書いた「骨から泣きたい雪子です」など代表曲を歌った。また北原とふたりで木下の「最後にもう一度」を歌ったほか、5月18日に出す新曲「情熱ダンス / 今日の酒」も歌詞を見ながら初披露。
木下は「作曲家で歌手の杉本眞人から何曲か楽曲の提供を受けています。今回の新曲もそのひとつです。彼が新しい私を引き出してくれています。いずれも杉本眞人の真髄を見るようでもあります」と話した。
緊張気味に木下と歌う北原(右)
最後は感慨無量といった表情の北原。現在は「少しでも名前と歌を知ってもらいたい」と全国でキャンペーンを展開中である。大阪・豊中庄内では毎月、大阪歌謡ライブにレギュラー出演している。6月12日にはおおい大輔(テイチク)をゲストに迎えて北原たちが歌う。