◆こうして歌っているとカラオケ喫茶店などでのキャンペーンでCDショップの人たちとCDを1枚1枚売った時のことが戻ってきます ー 。
大阪市中央区のNHK大阪ホールで2017年11月8日、歌手デビュー25周年を記念したコンサート「感謝と笑顔を咲かせて」を開いたキングレコードの歌手、市川由紀乃は、そのようにかつての日々を振り返るとともに、次のステップに向けて新たな意欲を示した。





 人気のオリジナル曲の数々から普段はあまり聴くことが出来ないカバー曲、そして新曲「はぐれ花」までと、市川由紀乃の歌の魅力を存分に感じさせてくれる約2時間だった。
 しかも彼女にとっては珍しい、ミニドレスや大好きだという松山恵子を真似たウエディングドレスを思わせる純白のロングドレスなど、これもコンサートならではの趣向で、聴きどころ、見どころたっぷりの内容だった。



 オープニングは前作の「心かさねて」。続いて「海峡出船」から「海峡岬」まで、彼女にとっては「どれも大切な楽曲ばかり」(市川)という6曲を1コーラスずつのメドレーで聴かせた。
 どれも市川には思い出深い歌で「1曲、1曲その頃のことが頭に浮かんできます」と感慨深げであった。



 自身のアルバム「決定版 戦国女絵巻」(2011年)から、織田信長の妹で戦国武将の浅井長政、柴田勝家に嫁ぎ、非業の死を遂げた「お市の方」も披露した。これは戦国時代を生きた6人の姫を歌った、彼女の歌の別の一面を見せた作品集である。
 市川が「男性を陰で支えながら、強く生きた戦国の女性を歌っています。とても共感するところがあります」というように、彼女自身がもつ心の強さを表す楽曲で、ここにも25周年をステップにさらに飛躍を期す強い意思を感じさせた。




 紅白出場を果たし、取り敢えずはひとつの目標を達成した市川だが、決してこれが到達点でないことは本人が最もよく知っていている。司会者に紅白連続出場への思いを問われると「日々一生懸命に歌い精進していきます」と、今までの市川由紀乃と何ら変わらないところを見せていた。



 そして市川は「たくさんの応援をもらって去年は、大き過ぎる夢である紅白の舞台に立たせもらいました。25年の道のりの中では歌えなくて悔しかったこともあったけれど、大好きな歌の道を支えてくれたのがファンをはじめとしたたくさんの人たちでした。これからもそうした人たちを大事に歌い続けていきます」と、明日への強い意欲を感じさせていた。




[市川由紀乃 オフィシャルサイト]
http://www.primecorp.co.jp/yukino-ichikawa/index.html
[市川由紀乃 キングレコード]
http://www.kingrecords.co.jp/cs/artist/artist.aspx?artist=13522