特集 生駒幹人のＣＤウォッチング ４題

◆アメリカだけで1000万枚、そして全世界で2200万枚を売り上げる－。先日、そんな状況を打破してくれるかもしれないニュースがありました。
　アデル”のアルバム「21」の話です。外国と比較すると、日本ではまだまだ売れていません。



　７月10日から始まった武井咲主演の新ドラマ「息もできない夏」の主題歌に、このアルバム「21」の収録曲「セット・ファイア・トゥ・ザ・レイン」が、そして挿入歌には「サムワン・ライク・ユー」が起用されているそうです。

　ドラマの視聴率にもよりますが、どちらの曲もいいだけに、これを機にアルバム「21」が、多くの人の耳に届くようになることを願っています。



◆先日、あるブログを見ていて懐かしい名前（曲）を見つけました。
　その名は「ディック・セント・ニクラウス/マジック」です。

　1979年の秋。
　とある大阪の輸入レコード店でよく売れてるアメリカEPIC発のレコード（LP）があると評判を聞きつけたCBSソニー（当時）の洋楽の宣伝マンが、本社に日本発売を掛け合い、とりあえず「大阪限定で」ということで発売され、大阪でヒットしたエピソードのある楽曲です。



　翌1980年には全国発売となり、オリコンチャート39位という大ヒットを記録しました。
いわゆる「大阪発」の洋楽ヒット曲で、企画・制作・販売を地方（大阪）営業所で取り仕切った初の試みでした。当時は大阪のラジオ局、雑誌、レコード店などが一体になって盛り上げたそうです。

　この曲が流行しているころは中学生で、いちリスナーに過ぎませんでした。今、レコード（CD）店で働かせてもらっている自分も、この時のような「大阪発」のヒット曲に携わってみたいです。

　当時、プロモーションで来日していたディックが、中之島のホテルから見た月に感動して作った「OSAKA MOON 」を収録したセカンド・アルバム（日本のみの発売）をリリースしたあと、彼は今、アメリカでソングライターとして活動しているそうです。


◆日本人なら皆知っている？ラジオ体操。
　最近、テレビや解説本の発売などで、その効果が紹介されているのを受けてか、「ラジオ体操のCD」がオリコンの週間シングルチャートにチャートインしてきました。（最高位は128位＝５月21日付）
　そういえば、店にも「ラジオ体操のCDありますか？」とポツポツ問い合わせいただきます。



　手軽で安価で、健康維持に役立つ「ラジオ体操」の歴史は、意外と古く1925年、アメリカの生命保険会社が健康増進の目的で作り出したものが日本に渡り、1927年ラジオ放送を開始したとか。
以来、少しずつ形は変わりながらも現在まで続いています。

　そして「ラジオ体操」の思い出といえば「ラジオ体操の歌」です。
　♪新しい朝が来た　希望の朝だ～ という歌詞とメロディーは、聞き覚えある人が多いはずです。
実はこの曲は、1951年に発表され、作曲・歌唱は「東京ラプソディ」や「丘を超えて」などで知られる藤山一郎氏だったのは驚きでした。
　1995年に発売された意外なロングセラー商品「ラジオ体操」のCDを買って、夏休みにはぜひひラジオ体操にチャレンジしてみてはいかがでしょうか・


◆先日 行われた「AKB48総選挙」。
　それが行われていたころ、海の向こうのアメリカ・ニューヨークの名門アポロシアターのアマチュア・ナイトで、兵庫県の中学校に通う14歳の青野紗穂がグランプリを獲得していました。

　そのアポロシターでの歌唱映像を見ましたが、14歳のレベルではありません
　歌唱曲は彼女が敬愛するホイットニー・ヒューストンの「アイ・ハブ・ナッシング」でした。この曲は「私には何もいらない。あなたさえいれば。」と感情豊かに歌うラブソングです。

　歌はうまい。しかし14歳の女の子が、しかも英語がネイティヴでない彼女が、ちょっと背伸びが過ぎたかも、とも思いました。でも結果は見事に優勝です。

　いい素材であることには変わりはないので、デビッド・フォスターの下でブレイクしたシャリースのように、ちゃんと基礎を積み上げていけば、将来の可能性は大きいと思います。今後の成長を見守っていきたい逸材です。

（恵比須堂本店 生駒幹人）

青野紗穂

［恵比須堂］
http://www.ebisudo.net/

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