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平和勝次のあの「大阪より愛をこめて」は007シリーズのパロディー? [コラム]

平和勝次が7月4日に出した新曲「百歳音頭」のカップリングは「大阪より愛をこめて」だ。1972(昭和47)年にアルバムに収録されたもので、カップリングながら今回初めてシングル盤に収録された。作詞は星野哲郎、作曲は山路進一、編曲は小杉仁三である。歌はもちろん平和勝次とダークホースだ。

平和勝次22.jpg
平和勝次

 「大阪より愛をこめて」で連想するのが、映画「ロシアより愛をこめて」である。ご存知、007シリーズの第2作目の作品で1963(昭和38)年に作られている。
 「大阪より-」は1972年であるから9年も後であるが、007シリーズのタイトルに影響されたように思うのだが。

 それを先日の新曲発表会の席で平和に訊いた。
 やはり007のパロディーだという。大作詞家の星野もなかなか洒落たことをするものである。平和とのコンビ作ならではなのだったのか。

 「宗右衛門町ブルース」の作詞は平和勝次だが、星野の「大阪より-」は「宗右衛門町ブルース」に次ぐ名曲とも言われている。
 演歌好きには堪らない、ぐっぐっとくる歌詞がいっぱい詰め込まれているのだ。

 たとえばこんなところも。
  ♪ 意地がじゃまして 西東 ~ 、
 さらには ♪ ごめんなさいと ひとこと言えば 別れなくても すんだのに ~
 そして ♪ 逃げてみただけ 宗右衛門町 ~ 

 男と女の恋の駆け引き、それは意地の張り合いなのかもしれない。
 3番に出てくる ♪ こぬか雨さえ ~ の<こぬか>は、1971(昭和46)年に欧陽菲菲が歌った「雨の御堂筋」(作詞・林春生)で初めて知った言葉だった。
 <こぬか雨>とは雨滴が霧のように細かい雨のことをいうが、普段あまり使うことはない。小説か歌の世界に限られるかもしれない。と思っているのだが・・・。星野は使っていたのだろうか。

 これをきっかけに<ボクの演歌用語集>に加えておこう。
 
 しかもこの頃の歌や映画には必須の小道具だった<赤電話>が登場するのも、演歌ファンの心をくすぐるのである。映画「男はつらいよ」で寅さんがいつも十円玉を持って妹さくらに電話するのも、いつも赤電話だった。スマートフォンよりもどこか哀愁を感じるのは、オジサンだけだろうか。

 「大阪より - 」に次いで「高知より愛をこめて」も作られたそうである。




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CDコピーとカラオケ教室 [コラム]

◆先ごろ、大阪市内で開かれたレコード店とレコードメーカーの集まりで、CDのコピー問題が話題になった。常連だったはずのカラオケ教室の先生たちが、このところバッタリと足を向けなくなった、というのだ。

 かつてカラオケ教室の先生たちは、毎月、教室で歌唱指導するための課題曲を決めて、生徒の数だけCDをまとめ買いをしていたという。
 ところが、そうした客が居なくなったというのだ。課題曲の音を手にに入れると、あとはコピーをして配布しているのだそうだ。

 しかも集まりでは「私の店も同じだ」と、相づちを打つ経営者も出てくるなど、そうした問題に悩むレコード店は少なくないようだ。

 そこで提案されたのが、日本レコード協会や日本レコード商組合などの団体によるカラオケ教室の認定制度であった。違法なコピーをしないことを条件に認定しようというものだ。

 まだ具体案は出ていないが、CDコピーの抑止効果をねらっている。
 これによって成果が得られるかどうかは判らないが、違法コピー撲滅に向けて一歩、前進することになるのは確実であろう。

◆「演歌は大阪から」といった言葉がある。
 あった、と言ったほうがいいのかもしれない。
 と言うのも、この言葉が実態に合わなくなってきているからだ。
 大阪発のヒット曲が見当たらないのだ。

 たとえば関西のレコード店が後押ししてヒット曲を作る動きも、このとろトンと聞かなくなった。そんな元気はすでにレコード店にはなく、それどころではないのかもしれない。

 何人ものプロ歌手を生んできた関西歌謡大賞からも、最近は新たな誕生を聞かない。
 大阪と神戸で開かれている流行歌ライブにしても、関西発ヒット・歌手を育てるよりも、毎回の出演歌手の頭数を揃えるのに汲々としているのが実情のようだ。

 流通をはじめ関西の業界全体で再び、「演歌は大阪から」という熱い想いを取り戻してもらいたいものである。

 9月8日にキングレコードから発売される神野美伽の「あんたの大阪」は、そんな大阪にエールを送る歌のように聴こえてくる。



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