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坂本冬美、新歌舞伎座で歌と芝居の特別公演  レアな中村梅雀のベース演奏とコラボ [舞台]

◆ 大阪・新歌舞伎座で「坂本冬美 特別公演」が行われている。新歌舞伎座を観る会(代表・行永京)では2023年2月4日に同公演を観覧した。1部は坂本が中村梅雀らと共演する芝居「華麗なるサギ師たち」で、2部は歌謡ショーの「坂本冬美オンステージ」。2月26日まで。

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写真・坂本冬美新歌舞伎座特別公演


 2部の歌謡ショー1番の見せ場は、芝居で共演した中村梅雀が演奏するベースで、坂本冬美が中島みゆきの「糸」を歌うといったコラボシーンであった。
 中村がベースを弾き始めたのは12歳からで、すでに56年ものキャリアという超ベテラン。その彼が奏でる音に合わせて歌うそれは格別。
 手にするベースは、世界的なベイシストとして知られるマーカス・ミラーが来日した際に、同じものを手に入れたという曰く付きのもの。

 坂本の新歌舞伎座は3年ぶりだという。まずは黒のドレスで歌ったオープニング曲は「また君に恋してる」。もちろん「火の国の女」「夜桜お七」といったロングヒット曲も聴かせて、集まったファンを喜ばせた。
 「男の火祭り」をはじめ得意の男歌も披露した。「ブッダように私は死んだ」のほか去年5月に出した新曲「酔中花」も聴かせた。

 今公演では、坂本と同じ事務所の所属でデビュー20年になる森山愛子がゲスト出演。2月1日に発売したばかりの新曲「雨の空港」などを披露した。
 「マイナー調の3連のリズムで、私にとっては新境地の楽曲です」と話していた。また芝居にも出演してダンスにも挑戦していた。

 1部の芝居「華麗なるサギ師たち」の舞台は鹿鳴館時代とも呼ばれる明治初期。坂本は中村と共に詐欺師で、夜毎貴族たちが集いダンスパーティーが開かれている元長州侍の館。
 最後にどんでん返しがあるのは、こうした詐欺師の物語では定番であるが、ストーリーが分かりづらいのはやや難点か。


[坂本冬美新歌舞伎座特別公演]
https://www.shinkabukiza.co.jp/perf_info/20230203.html








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花園直道(徳間ジャパンコミュニケーションズ)、道頓堀で桜花昇ぼる・角田信朗とレビュショー [舞台]

◆日舞パフォーマーで歌手の花園直道が、元OSK男役トップスターと初共演した主演舞台「熱き乱舞!JPN dance The WORLD」を、2022年9月9日から11日までの3日間、大阪・道頓堀の劇場、道頓堀ZAZAで開いた。

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「熱き乱舞!JPN dance The WORLD」の1シーン


 元OSK日本歌劇団の男役トップスター.、桜花昇ぼると初共演、さらにゲストに空手家・タレントの角田信朗が出演した。

 1年から延期になっていた公演で、花園直道は、オリジナル曲の「百花繚乱〜bloosom」で華やかにオープニング。和と洋の豪華絢爛なレビューを見せるなど、演目一つひとつをパワーアップするなど、盛り沢山のパフォーマンスで観客を楽しませていた。

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花園・桜花・角田の3人の歌で盛り上げたクライマックス

 クライマックスは、ゲストの角田と花園が去年4月にリリースしたコラボ曲「希望の詩〜立ち上がれニッポン〜」を、桜花と3人による歌で盛り上げた。ラストは出演者前院が勢ぞろいして、大盛況で幕を閉じた。
 
 花園は「コロナ禍は続いていますが、ネガティブな事を一時でも忘れて、お客様に希望を持ってもらい、明日からのエネルギーにしてもらえたら、と演じました」と話していた。


[花園直道 オフィシャルサイト]
http://naomichi.net/sp/
[花園直道 徳間ジャパンコミュニケーションズ]
https://www.tkma.co.jp/enka_top/hanazono.html








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新歌舞伎座、4月2日の「神野美伽コンサート2022」を中止 [舞台]

新歌舞伎座は2022年4月2日に予定していた「神野美伽コンサート2022」の中止を決めた。

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中止が決定された「神野美伽コンサート2022」

 神野美伽が腰椎椎間板ヘルニアによる急性麻痺の緊急手術を3月10日に行ったため。
 症状は日々改善しているというが、万全の状態で公演が実施できないと判断して、コンサート開催の中止を決定した。

 チケット代金の払戻しの方法の詳細は、新歌舞伎座ホームページで改めて案内するという。

[新歌舞伎座]
http//www.shinkabukiza.co.jp







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大阪・新歌舞伎座、7月・8月の公演中止 神野美伽「(再開へ向けて)最善を尽くし準備する」 [舞台]

大阪・新歌舞伎座は2020年5月19日、新型コロナウイルス感染症拡大の抑止のため、7ー8月のすべての公演を中止すると発表した。これで公演中止は3月から5ヶ月連続となる。

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 今回中止になるのは、7月1日の「八代亜紀デビュー50周年特別コンサート2020」から8月7日~23日の「コロッケ40周年特別公演」までの9公演。

 7月10日から12日まで「神野美伽 音楽会2020」に出演する予定だったキングレコードの歌手、神野美伽は今回の中止について自身のSNSで「私の出来ることは、プロとして、その時、ベストな状態で舞台に立てるよう、毎日、最善を尽くし準備をすることです。あきらめません。必ずお会いしましょう」と意欲を示している。


[新歌舞伎座]
https://www.shinkabukiza.co.jp/








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新歌舞伎座、5公演の中止を発表 [舞台]

◆大阪・新歌舞伎座は2020年4月8日、新たに4月28日の「THE GS栄光のグループサウンズ」から5月8日〜10日の「新 陽だまりの樹」まで5公演の中止を発表した。

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政府の緊急事態宣言を受けての自粛で、中止した公演は次の通り。
4月28日 「THE GS栄光のグループサウンズ」
4月29日 「由紀さおり50年記念コンサート」
4月30日 「小野リサコンサート 2020」
5月4日〜6日 「ミュージカル モダン・ミリー」
5月8日〜10日「新 陽だまりの樹」

新歌舞伎座は「やむなく中止させていただくことになりました。お客様には大変申し訳なく、深くお詫び申し上げます」とコメントしている。


[新歌舞伎座]
https://www.shinkabukiza.co.jp/








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新歌舞伎座、「3月特別企画 前川清 藤山直美」など3月の公演すべてを中止 [舞台]

新歌舞伎座(大阪市天王寺区)は2020年3月7日、3月開催の「三月特別企画 前川 清 藤山直美」と「八神純子~キミの街へ Here We Go」の2公演を中止すると発表した。


 新型コロナウイルスの感染防止が目的。「三月特別企画 前川 清 藤山直美」は、3月1日から28日までの予定だったが、初日を3月10日に繰り下げて開催することにしていた。さらに今回、やむなく28日までの全日程を中止とすることを決めた。

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全日程が中止になった「三月特別企画 前川 清 藤山直美」


  「八神純子~キミの街へ Here We Go」は3月29日1日限りのコンサートであった。

 入場チケットの払い戻しなどについては、新歌舞伎座ホームページに掲載することになっている。4月以降の公演については未定である。


[新歌舞伎座]
https://www.shinkabukiza.co.jp/








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吉幾三(徳間ジャパンコミュニケーションズ) 大阪・新歌舞伎座で特別公演 開場60周年記念ファイナル [舞台]

◆新歌舞伎座が今年1年展開してきた開場60周年記念の特別公演のラストを飾る吉幾三特別公演が2019年12月1日から、大阪・上六の新歌舞伎座で行なわれている。1部は松竹新喜劇「帰って来た男」を原作にした「どたばた遊侠伝 時代おくれの竜」。ちょっと早とちりで涙もろくて人情家でもある渡世人の竜を吉が演じている。台詞のTSUGARU訛りの大阪弁は、デビュー当時に大阪で身に付けたもの。2部の歌謡ショーでは、去年1年間、世界を旅して耳にした日本を含め5ヶ国の歌を、ヒット曲と共に聴かせている。18日まで。

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 吉幾三の新歌舞伎座での座長公演は14年振り2度目。今回の時代設定は明治初年。舞台にはガス灯が建ち、サーベルを下げた警官が登場するかと思えば、日本刀を持った壮士風の男たちもいる。
 立ち回りなど時代劇の任侠ものの要素と、脚本・演出の岡本さとる氏が「ギャング映画の味わいを、少しだけ加味しました」と 言うように、笑いの中にもスリルとサスペンスも感じ取れるようである。

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 そんな舞台で吉は、花道からシャボン玉を吹かしながら、のたりのたりと登場する。賢いのか阿保なのか分からない可笑しさを含んだ松竹新喜劇ならでわの笑いが、ふんだんに盛り込まれている。
 デビュー47年の吉ならではのアドリブもある。許婚のおせきを熊谷真実が演じている。初共演の酒井敏也は、ラストでどんでん返しを演じて観客を驚かせる。

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■旅唄で世界の衣装に早替え

 2部のオープニングでは<ヨッシー>コールが響く中、吉が「初日は1回公演だから少し長めにやろうかな」と告げると歓声。

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 今回の歌謡ショー・オンステージの目玉は、吉が1年間の世界旅行の行く先々で触れた音楽を取り入れて、彼ならではの構成で組み立てた「世界の旅唄」のコーナー。ステージでそれぞれの民族衣装に早替えして聴かせるといった趣向。

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 スカートを履いたサロンというインドネシアの民族衣装を着た吉は「二人のインドネシア」を歌い、今度は長いチャイナ服に身を包んで「再見上海」を、アメリカは上半身裸でハワイのフラダンス衣装で「アロハ コナ」を寒い寒いと言って歌う。
 日本は吉の地元・青森県の民謡「俵つみ唄」をハカマ姿で歌った。

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 世界旅行は吉に新たなメッセージソングも作らせた。
 2019年11月に発売したばかりの、子供の涙は見たくないと平和を願う「涙・・・止めて」が、それである。これを歌った吉は、国内政治の腐敗を嘆くと共に「世界のすべての子供たちが笑顔になりますように」と訴えた。

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 ファンが待ちかねたヒット曲コーナーでは「情炎」「酔歌」「雪國」などを披露。最新曲の「人生(みち)」も。大阪にちなんで「北新地」といった男と女の歌も聴かせた。

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[吉幾三 オフィシャルサイト]
https://441930.jp/
[吉幾三 徳間ジャパンコミュニケーションズ]
http://www.tkma.co.jp/enka_top/yoshi.html
[吉幾三 新歌舞伎座]
https://www.shinkabukiza.co.jp/perf_info/20191201.html








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神野美伽(キングレコード) ブギの女王笠置シズ子を演じて、「東京ブギウギ」などオリジナル曲ばかり19曲を歌う きょう千秋楽 大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール [舞台]

◆往年の名曲をアレンジカバーして配信したり、米ロックフェスティバルで歌うなどチャレンジ精神旺盛なキングレコードの歌手、神野美伽が、ブギの女王と呼ばれた笠置シズ子の生涯を演じて歌う「SIZUKO!QUEEN OF BOOGIE~ハイヒールとつけまつげ~」を、2019年12月1日まで、大阪市中央区の大阪城公園内にあるCOOL JAPAN PARK OSAKA TTホールで熱演している。ラストステージはきょうの午後2時開演。

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共演者と踊る神野、出演する俳優は4人。何役も演じる

 笠置シズ子は1955(昭和30)年の「たよりにしてまっせ」を最後に歌手を引退し、その後、晩年まで芝居やテレビドラマなどで活躍した戦後を代表する歌手。昭和22年に大ヒットした「東京ブギウギ」が代表曲として知られている。
 そんな彼女の歌手としての第一歩は、戦前の大阪・道頓堀の松竹少女歌劇からだった。その後、東京・浅草の日劇国際劇場へと舞台を移し、敗戦で焦土と化した日本の多くの人々を元気付けた。

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 芝居は1948(昭和23)年、すでに日劇で人気を博していた頃、東京・有楽町のガード下で、1人の娼婦と出会うところから始まる。
 笠置は愛した男性や家族との死別、戦争中の厳しい統制といった悲しみの中でも、底抜けの明るさで好きな歌を歌い続けた。その負けん気の強さと歌が、周りの人たちを明るくしていく。

 神野美伽が演じる笠置シズ子は、まるで2人が同一人物であるかのような錯覚に陥る。前向きにいつも新たな挑戦を続ける彼女の姿が、そのように思わせるのであろう。今回の公演は「今年一番の挑戦でした」と話す彼女は、11月23日の公演初日間際まで、台詞を覚えたり役作りに苦心したという。

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ガード下で出会った<おゆき>とは生涯の友人となる

 神野が今回の公演の企画を初めて聞かされたのは5年前だったという。
 彼女は公演のパンフレットで「自分自身の表現で笠置さんの曲を歌うべきなのか。まだ煩悶していますけど、出会うべきして出会ったと自覚しています」と書いている。
 「今まではあまり笠置さんの歌を歌うことはなかった」(神野)が、約2時間のステージでは、代表曲の「東京ブギウギ」から「センチメンタル・ダイナ」「美わしのアルゼンチン・チナ」など、オリジナル曲ばかり19曲を聴かせてくれた。それに反して自身のオリジナル曲は1曲も歌わない。珍しい公演ではあるが、これが新たな神野ファンを作り出したようでもある。

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笠置になり切っての熱唱

 笠置の作品の多くは作曲家服部良一が手がけている。今回、神野が歌うのに際して、東京都内の倉庫に保管されていた笠置が歌った服部作品の譜面が提供されている。その中からは今まであまり知られていなかった、「買物ブギー」の歌われなかった部分の譜面も見つかり、この日は完全バージョンで披露した。
 また併せて歌った「大空の弟」は、戦死した弟を偲んで歌ったもので、新たに見つかった作品である。軍歌のようにも思える笠置の楽曲の中では異色の作品とも言われている。

 きょうの公演がラストとなるが、それを惜しむかのように、エンディングで神野は出演者や演奏者たちと一緒に「銀座カンカン娘」を歌った。観客も感極まって立ち上がっての拍手するなどしていた。再演を期待したい。


[神野美伽 オフィシャルサイト]
http://www.shinno-mika.com/
[神野美伽 キングレコード]
https://www.kingrecords.co.jp/cs/artist/artist.aspx?artist=13450








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前川清・神野美伽  歌と芝居の新歌舞伎座開場60周年記念特別公演  〈時代〉をテーマにオールディーズから最新楽曲まで のオンステージ  スペシャルゲストに松居直美  1部は司馬遼太郎原作「大坂侍」を熱演 [舞台]

◆テイチクエンタテインメントの歌手、前川清とキングレコードの歌手、神野美伽による新歌舞伎座開場60周年記念特別公演が2019年3月3日、期間22日の幕を開けた。1部の芝居「大坂侍 〜恋も忠義も金次第〜 」のラストで神野が「流行歌(はやりうた)も変わりましたんや」と話すシーンのように、2部の2人によるオンステージでは60年代の懐かしいオールディーズからそれぞれの新曲など、新しい波を感じさせる構成で聴かせた。3月24日まで。

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初日の緊張を楽しんだ前川清(右)と神野美伽


 1部の芝居「大坂侍」(原作・司馬遼太郎、脚本・岡本さとる)には、前川清神野美伽にスペシャルゲストの松居直美、おりも政夫などが熱演。舞台は幕末から明治維新にかけての大坂と江戸。前川演じる大坂の河川を取り締まる川同心の鳥居又七と、神野による大店の娘お勢との恋物語であるが、<商工農士>と言われる大坂における武士と合理的な商人の姿も描いている。

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 新歌舞伎座への出演は毎年1回と定番になっている前川は、毎回、飄々とした演技で観客を笑わせることに苦心する。今までは脚本を壊すことで、そこに笑いを求めるのを楽しみで演ってきたという彼だが「今回は(司馬遼太郎の)小説が原作でもあって、壊すのが難しいですね。初日はいつも緊張します。観客の反応を見ながら、回を重ねるごとに、面白くしていきたい」と期待を持たせた。

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 神野は去年末の足の手術後の、わずかに残る痛みを気遣いながらのステージだった。それでも「大道具さんに階段の段差を低くしてもらいました」など、周囲の多くが彼女が少しでも楽に動けるように計らっての初日だった。シャリーンと花道の幕が開いて飛び出した彼女は「初日はいつにも増して特別ですが、足の不安には安心し、すごく楽しめました。ホッとした気持ちです。精一杯、演じて、歌っていきたいです」と胸をなでおろしていた。

 2人とも初日ならではの緊張感を持ちながらも、十分に楽しんでのスタートであったようである。

■緊張感いっぱいの初日公演

 芝居のクライマックス、鳥居は大坂を離れて、官軍と戦う彰義隊に身を投じるが、戦に敗れて命からがら逃げ延びる。そこで大坂から江戸まで彼を追いかけて来たお勢に出会う。「流行歌も変わりました」と、 お勢は ♪ 宮さん宮さん 〜 と「トコトンヤレ節」を歌って、時代が変わったことを伝える。

 この時代の変化は、今回の芝居と歌謡ショーのテーマでもある。
 2部のオンステージでは「ハートブレイク ホテル」「スタンド・バイ・ミー」など、多くの観客にも馴染み深い洋楽オールディーズを、いずれも前川のカバーアルバムの中から彼と神野が交互に歌う。従来の歌謡ショーとは趣を少し変えたオープニングである。

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 それに続いて前川は、ソロシンガーになってからのヒット曲「雪列車」を披露するが、その作品以来、36年ぶりという糸井重里プロデュースの新曲「初恋 Love in fall」を聴かせる。デビュー50年の彼の新たな挑戦楽曲である。
 クールファイブ時代の「そして、神戸」などのヒットメドレーでもファンを喜ばせた前川は、そこには「中の島ブルース」も。しっとりと歌うのを得意とする前川にとって、この1曲は「歌い辛くて、今でも緊張する」という<嫌いな楽曲>なのである。初日の出来栄えは「まあまあでした」と前川。

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 一方の神野は、19年2月にリリースしたばかりの「愛のワルツ」を、カップリングの「神さまのプレゼント」「男船」と共に披露した。
 メインの「愛のーー」は荒木とよひさ作詞、弦哲也作曲の夫婦をテーマにした作品。「(荒木さんと)結婚していた時には、良く 『君は一言多いんだよ』と言われましたが、歌詞にはその言葉がそのまま出てきます」と笑ってみてた。「神さまのーー」は「今の私の気持ちを1番に表現した作品」だという。
 都はるみのヒットメドレーや迫力ある「無法松の一生」も歌った。

 これより先、スペシャルゲストの松居直美は芝居への出演と共に、歌謡ショーでは石川さゆりの「津軽海峡冬景色」などをカバー。客席に降りるなどして、観客を楽しませていた。

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ラストは客席へ手ぬぐいまき

 ラストは、躍動感あるオープニングに反して、前川と神野の2人で中島みゆきの「時代」を歌った。少々おとなし目の選曲ながら、時代は変わりつつあることを伝えるものだった。


[前川清 オフィシャルサイト]
www.maekiyo.com
[神野美伽 オフィシャルサイト]
http://www.shinno-mika.com/







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市川由紀乃 (キングレコード)  初の新歌舞伎座座長公演は「島倉千代子物語」とオンステージ   7月5日から [舞台]

◆キングレコードの歌手、市川由紀乃が2019年7月5日から18日までの14日間、大阪・上六の新歌舞伎座で初の座長公演を開くが、演し物は2013年11月に亡くなった歌手、島倉千代子の歌手人生を綴った「人生いろいろ〜島倉千代子物語」。今年は島倉の7回忌に当たる。

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 2部は市川による歌謡ショーはのオンステージ。
 4月15日から電話予約を開始する。

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 市川は1月30日に、新曲「雪恋華」(作詞・石原信一、作曲・幸耕平、編曲・馬飼野俊一)カップリングは「鴨川の月」(作詞・たきのえいじ、作曲・幸耕平、編曲・前田俊明)をリリースする。


[新歌舞伎座]
https://www.shinkabukiza.co.jp/perf_info/
[市川由紀乃 オフィシャルサイト]
http://www.primecorp.co.jp/yukino-ichikawa/index.html







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渡辺要(日本クラウン)  舞台公演「未来へつむぐ 今をありがとう」 大阪公演に出演 [舞台]

◆大阪市中央区のドーンセンターホールで2017年12月3日まで行われている舞台公演「未来へつむぐ 今をありがとう」の大阪公演に、12月2日、日本クラウンの歌手、渡辺要が出征兵士を見送る男性役として出演。72年前の特攻隊の若者たちを描くことで、悲惨な戦争の事実を今の若い世代に知ってもらおうというもの。入場料は4000円、ただし小学生500円、中学生1000円、80歳以上は無料。

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元加西市長(左)や渡辺の後援会会員も参加しての稽古。中央が渡辺

 2017年7月に香川県坂出市で行われた同坂出公演を観覧し、その内容に感動した渡辺要が「エキストラでも良いから出演出来ないか」と、公演を主催する一般社団法人TUGUMI JAPANの代表理事で芝居の原作・演出・総指揮を担当する野田憲晴さんに願い出たのが、出演するきっかけだった。

 渡辺は出征する若者を幼い頃から知る近所のおじさん役として出演している。本番前に俳優で演出家の五宝孝一さんから、台詞や万歳などの演技指導を繰り返し受けて、この日1回目の公演に臨んだ。
500席あるホールは満席だった本番では緊張気味だったが「あんなに小さかったのに、こんなに立派になって」と、無難に役どころをこなしていた。

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俳優を交えての本番直前の稽古

 エキストラには渡辺要後援会琴平支部(香川県)の高橋佳代子さん、元加西市長。大阪市北区長の中川暢三さんらも出演している。

 物語は「特攻は美化してはならない、しかし風化させてはならない」と言い残して、2015年4月に亡くなった元特攻隊兵士の板津忠正さんをモデルに描かれている。鹿児島・知覧での出撃前、地元中学生で作られたなでしこ隊との心の触れ合いなどを通して、戦争の無意味さを訴えている。

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舞台稽古の前に演技指導を受ける

 大阪公演は去年に続いて2度目。前回はPR不足もあって入場者は少なかったが、今年は満員の大盛況だった。
 12月3日は午後12時と同4時の2回公演が予定されている。

 渡辺は練習でも持ち前の大きな声で場を盛り上げて、本番の出来栄えにも満足気だった。


[渡辺要 オフィシャルサイト]
http://www.kaname8739.com/about_2.htm







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前川清・中村美律子 歌と芝居で初共演 大阪・新歌舞伎座特別公演  11月9日まで [舞台]

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◆来年デビュー50周年を迎える前川清(テイチクエンタテインメント)と、去年30周年を祝った中村美律子(キングレコード)が大阪・上六の新歌舞伎座で初共演ー。2017年10月21日から始まっている人情喜劇「可笑しなふたり」と歌謡ショー「ビッグショー 浪花の秋祭り」特別公演である。前川は本人そのままのような真面目な役柄を飄々と芝居で演じ笑わせる。初めての前川との舞台を楽しむかのように屈託のない女中役の中村。それに続く歌謡ショーでは、芝居の緊張感から解き放たれた2人は、代表曲から新曲までをたっぷりと聴かせている。公演は11月9日まで。

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初共演の前川(右)と中村


 弱ったな 〜 が口癖で本好きの、真面目一方な播州赤石藩の侍・左馬之介に前川清。その相手役の女中・お菊に中村美律子といった時代劇「可笑しなふたり」。
 正しいか、そうでないかを秤とする左馬之介と損得を大切にするお菊は「人間は他人(ひと)の幸せを分かることが大切である」などと、それぞれに理解し始める。クライマックスではふたりも結ばれてハッピーエンドに。

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 観覧したのは初日3日目だった。そんなこともあってか、ふたりは緊張感いっぱい。それでも前川は「台本からそれても、皆さんに笑ってもらえると良いのかな」と言えば、中村も「まだこれからでんがな」と、明るさを振りまいていた。

■女の情と男の世界を歌う

 緊張から解き放たれたように、中村美律子「河内酒」で始まった歌謡ショーのステージでは、ふたりは「ホッとするね」と、伸び伸びとしたステージを見せた。1部は前川清「中の島ブルース」「大阪」、中村も「だんじり」と、交互に大阪ゆかりのオリジナル曲などをそれぞれ披露した。

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 ショー2部では中村が「おんな風の盆」「無法松の恋」などで聴き応えたっぷりと男の世界を歌で演じると、一方の前川は「東京砂漠」「逢わずに愛して」「そして神戸」など内山田洋とクールファイブ時代のヒット曲で女の情を心ゆくまで聴かせてくれた。

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 さらに中村は情景感あふれる「下津井・お滝・まだかな橋」や、定番の涙を誘う「瞼の母」で観客をしんみりとさせた。前川は10月18日に出した全曲英語詞で歌った、オールディーズカバーアルバム「Kiyoshi Maekawa My Favorite Songs ~ Popular 〜 III」(17曲収録)から「プリーズ・ミスター・ポストマン」などを披露したほか、同じ長崎出身の福山雅治に作詞・作曲を依頼した「ひまわり」も歌って前川清の新境地を見せた。

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気さくに前川(左)も中村も客席のファンと握手

 もちろん新曲の「京都二寧坂」(中村)「嘘よ」(前川)も披露し、エンディングは出演者全員がステージに並んで「大阪ラプソディー」を歌って賑やかに締めくくった。

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[前川清 オフィシャルサイト]
http://www.maekiyo.com/
[中村美律子 オフィシャルサイト]
http://www.goldenmusic.co.jp/mitsuko_nakamura.html
[新歌舞伎座]
http://www.shinkabukiza.co.jp/perf_info/20171021.html






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福田こうへい(キングレコード)  芝居と歌で泣かせた特別公演 「母ちゃんの浜唄」  大阪・新歌舞伎座9月公演 [舞台]

◆鰯も7日で鯛になる―。福田こうへい特別公演の芝居「母ちゃんの浜唄」で、まだ幼い主人公こうへいは、毎日の晩ご飯のおかずが鰯なのに飽き飽きとしていた。その母・はるが、いつもそう言い聞かせていた言葉である。高度成長期の昭和時代を象徴するかのような言葉でもある。福田こうへいはデビュー5年で、鯛ならぬ売れっ子歌手の仲間入りを果たしている。2部の福田こうへいコンサートでは、30万枚超の大ヒット曲「南部蝉しぐれ」から2017年9月27日に発売される新曲「道ひとすじ」まで全14曲を歌った。公演は9月21日まで。

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新歌舞伎座では3度目の公演となる福田こうへい特別公演


 今回の芝居は昭和30年代後半の東京を舞台に、中学を卒業したばかりの主人公が集団就職で岩手・宮古から上京し、時代の流れにもまれ、たくさんの悩みを抱えながらもふる里や母親を想う姿を描いている。
 主人公を演じる福田こうへいにとって新歌舞伎座公演は3度目。初陣はデビュー2年目の2015年7月である。三橋美智也の半生を綴った芝居「歌こそ我が命 ~三橋美智也物語~ 」と歌謡ショーの座長公演だった。今回はセリフは倍に増えて、笑いと涙の人情劇を見せてくれている。

 「母ちゃんの浜唄」は2001(平成13)年、主人公こうへいが東京・築地の川岸で、今は亡き母親に語りかけるシーンから始まる。そして場面は一気に昭和30年代のふる里・宮古へ。はるは魚市場に捨てられた鰯を集めて、売り歩いていた。今回の公演に合わせて福田が2017年2月に出したシングル「母ちゃんの浜唄」を基に構成されたものである。


 上京したこうへいは築地近くの新富町にある乾物店で働いる。
 それから数年後、田舎から出てきた母親を主人公のこうへいが、その田舎者ぶりが恥ずかしくて、岩手弁でまくし立てるように追い返えしてしまう。
 若い男の子にはありがちである。もちろんこうへいの本心ではなかったのだが、仕方なく帰って行く母親の姿に、涙をこらえる人たちも。

 それでも息子の行く末を心配してやまない母親だったが、しばらくして亡くなってしまう。それが主人公にとって母親と話す最後となるのであるから、さらに観客の涙を誘わないはずがない。

 新歌舞伎座による事前のインタビューで福田も「せりふを口にしたら僕自身も胸が詰まり、泣きそうになってしまいました」と話しているほどである。

■ふる里に歌碑も

福田こうへい特別公演2.jpg 福田はデビュー前からステージに立っても、話す時は岩手の言葉そのままである。それはデビュー後も変わらず、福田を見る人、聴く人に一層親しみを感じさせている。
 この日の新歌舞伎座には、岩手のふる里から同じ言葉を話す人たちがたくさん応援に駆けつけ、ペンライトを振っていた。その生まれ育ったふる里には、福田の歌碑が建立されることが決まっているという。

 2部のコンサートではそんなふる里の民謡「外山節」(岩手・盛岡)なども披露した。

 また「母ちゃんの浜唄」「父子鷹」「北の出世船」「南部蝉しぐれ」とオリジナル曲とともに、NHK紅白歌合戦でも歌った「東京五輪音頭」、浪花を題材にした「浪花節だよ人生は」「河内おとこ節」などを歌って、ファンを沸かせていた。

 発売日は公演終了後の27日という新曲「道ひとすじ」も、一足早く聴かせた。

 さらに「身体は小さいけれど歌声は大きく届けます」と、全身で声を張り上げたり振り絞るようして歌っていた。

 福田は「(歌で)1人でも多くの人が元気になってもらえるように、これからも初心を忘れないように努力していきます」と語りかけていた。


[福田こうへい特別公演 新歌舞伎座]
http://www.shinkabukiza.co.jp/perf_info/20170901.html
[福田こうへい キングレコード]
http://www.kingrecords.co.jp/cs/artist/artist.aspx?artist=44399






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新歌舞伎座、五木ひろし特別公演・坂本冬美特別出演 きょう千秋楽 [舞台]

◆連日、満員の大好評ぶりを見せていた五木ひろし坂本冬美による芝居・夫婦善哉と歌謡ショー・ふたりのスペシャルショー「五木ひろし特別公演・坂本冬美特別出演」が、きょう2017年7月23日午後12時からの公演で千秋楽を迎える。6月24日から31日間という長期公演だった。きのう22日夜には夜の部最終公演が行われた。

五木ひろし特別公演・坂本冬美特別出演.jpg


 「夫婦善哉」と言えば主人公のダメ夫の柳吉を演じた森繁久弥で知られているが、今回、流ちょうな大阪弁が光った五木が演じた柳吉は、もうひとりの柳吉として存在感を示した藤山寛美を見るようでもあった。

 その柳吉(五木)は放蕩がたたって入院の憂き目に遭うが、女房の蝶子(坂本)が甲斐甲斐しいく世話を焼く。病室で柳吉と2人っきりになった坂本は「50歳にして初めてのラブシーンを演じた」と照れてみせた。五木も「義母役の宮川花子さんもベッドに上がってきて、一時はどうなるのかと心配した」と、笑わせていた。

 坂本はデビュー4年目の1990年、五木の座長公演に初出演している。「大先輩で近寄りがたい存在」(坂本)だったが、今回の舞台では堂々たる女房役を演じてみせた。

 この特別公演ではまた、織田作之助役として桂米團治が出演しているほか、祖父が藤山寛美という藤山扇治郎、大川橋蔵の次男・丹羽貞仁、西川きよしの長男・西川忠志といった具合にジュニア勢がそれぞれ活躍しているのも見どころのひとつであった。

■歌に衣装に見どころいっぱい

 2部のふたりのスペシャルショーでは、五木ひろしが自ら<原点>と位置付けている再デビュー曲「よこはま・たそがれ」から、38年前のアルバム収録曲を再レコーディ゛ングしてシングルカットした最新曲「わすれ宿」までを歌うと、坂本冬美もデビュー曲「あばれ太鼓」から最新曲「百夜行」までを披露した。

 五木のピアノ演奏に合わせてオレンジ色のドレス姿の坂本が「また君を愛している」を歌うシーンや、ふたり揃っての歌謡浪曲「一本刀土俵入り」も聴かせてくれる。

 さらにもうひとつ、坂本冬美が芝居、歌謡ショー合わせて、着物からドレスまで数多くの衣装替えを見せてくれた。「11ポーズの衣装替えでした」と坂本。それに合わせてか五木も「(タキシードから着物まで)僕も同じぐらいかな」と、ファッション好きを楽しませていた。





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三山ひろし(日本クラウン)  大阪・新歌舞伎座で初座長公演  歌謡ショーではデビュー曲から最新曲「男の流儀」まで全14曲を歌唱 [舞台]

◆日本クラウンの歌手、三山ひろしが2017年6月4日まで、大阪・上六の新歌舞伎座で初めての座長を務める「三山ひろし特別公演」で、喜劇タッチの時代劇と歌謡ショーに挑んでいる。

三山ひろし・座長公演チラシ.jpg


 5月26日から10日間の短期公演。
 1部の芝居「若様弥次喜多七変化」では、後継藩主をめぐってのお家騒動をテーマに、三山が現藩主の落胤である弥次六とその兄で若殿、さらには奥女中と女形にも扮するなど3役の<変化>ぶりを見せる。

 2部は歌謡ショー。デビュー曲の「人恋酒場」から最新曲の「男の流儀」まで、昭和の名曲のカバーを含めて全14曲を歌った。三波春夫の歌謡浪曲「元禄名槍譜 俵星玄蕃」も聴かせた。さらにオープニングでは、景気良く鳴子を打ち鳴らして、芝居の出演者の踊りをバックによさこい節を披露していた。

 三山は「初座長公演、1つひとつの拍手がうれしいです。2009年に産声をあげた歌手、三山ひろしは皆さんが僕の親です」と、感謝の想いを話していた。


[三山ひろし オフィシャルサイト]
http://www014.upp.so-net.ne.jp/miyama-hiroshi/
[三山ひろし 日本クラウン]
http://www.crownrecord.co.jp/artist/miyama/whats.html






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大月みやこ、神野美伽 新歌舞伎座9月特別公演  「結婚しない女たち ~ 京都室町はんなりハウス ~ 」 [舞台]

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フィナーレで「いい日旅立ち」を歌う出演者たち


◆ノンアルコールのワインで酔っぱらうが源氏物語の研究に生涯を捧げる大学教授の大月みやこ、男勝りで正義感の強い興信所のベテラン調査員の神野美伽―。そんな女性たちが住む京都・室町のシェアハウスで突如持ち上がった立ち退き騒動。笑いの中にワクワクドキドキの展開が面白い新歌舞伎座9月特別公演が、2015年9月4日初日の幕を開けた。大月みやこと神野美伽が共演する芝居「結婚しない女たち ~ 京都室町はんなりハウス ~ 」である。ドラマのグランドフィナーレがふたりの歌謡ショーへのイントロと、一風変わった構成を見せる。大月、神野による美空ひばりのメドレーのほか、大月は新曲「愛のかげろう」を熱唱。神野はアルバム「矜持 ~ Pride ~ 」収録の「黒田ブギー」などを披露する。21日まで。

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熱唱する大月みやこ(左)と神野美伽

 結婚しない女、京都、シェアハウス・・・。今、流行りのキーワードを集めた芝居は、テレビの2時間ドラマを見ているようなスピード感があって、小気味良く展開していく。恋より仕事とキャリアウーマンを装うが、その実はデートに心ときめかし結婚も夢見る女性たちが、この現代劇の主人公たちである。

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男の出現に心が揺れる
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立ち退き反対に気勢を挙げる4人なのだが

 町家を改造したシェアハウスに住む彼女たちが、田村亮が演じる立ち退きを迫る大手建設会社の社員からの恋の囁きに心を乱してしまう。最も男性には無縁と思われた大月演じる和服の大学教授、男性を寄せ付ける素振りも見せない男勝りでトレンチコートが似合う調査員(神野)も、それまでの一致団結しての立ち退き反対運動も投げ捨ててしまう。

 新歌舞伎座の特別公演は芝居と歌謡ショーの2部構成で、それぞれが独立しているのが常である。ところが今回は芝居のグランドフィナーレが歌謡ショーのオープニングといった、ちょっと変わった趣向を凝らす。

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元宝塚歌劇団の蓮水ゆうや

 そのオープニングを任されたのは元宝塚歌劇団・宙組の蓮水ゆうや。「SWEET MEMORIES」を歌い上げると、舞台中央からは大月と神野がせり上がってくる。ふたりの1曲目は島倉千代子の「人生いろいろ」。客席では「 M&M(みやこと美伽)」と書かれた紙を掲げて応援かね観客も。
 ふたりは「M&Mと呼ばれるのは初めて」と笑顔。


 続いての美空ひばりのメドレーでは、大月が「ある女の詩」で独自の女を表すと、神野はしんみりと「哀愁波止場」を歌う。いずれも聴き応え十分の歌唱に会場もうっとり。メドレーのラストは大月、神野、蓮水の3人で「愛燦燦」

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大月みやこ

 それぞれのワンマンコーナーでは、まず神野が代表曲の「男船」「男の海峡」と威勢のいい海の男を歌ったのに続いて、アルバム「矜持 ~ Pride ~ 」の中から「リンゴ追分」「座頭市子守唄」「無法松の一生 ~ 度胸千両入り ~ 」「黒田ブギー」を舞台狭しと駆けて歌い上げた。
 それとは対照的に大月は「白い海峡」「女の港」「いのちの海峡」「霧笛の宿」「女の駅」とさまざまな女の世界を披露。極めつけは代表曲の呼び声高い新曲「愛のかげろう」と続く。

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神野美伽

 神野が「初日から走り過ぎないようにと注意もされましたが、そんなことで加減をする女じゃありません。1日1日エンストをするまで走ります。まだまだ行けますよ」と話すと、大月は「ゆっくりゆっくりとした歩みですが、ふる里のみなさんの声援を励みにここまで来ました。これからも凛とした女の歌を心に届けていきます」と貫禄を見せた。

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 ステージのラストは再び芝居に戻る。ヨーロッパへ旅立つシェアハウスの仲間を見送る住人たちが顔を揃え「いい日旅立ち」を歌う。まるで宝塚のステージを見せるかのようなフィナーレである。



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神野美伽(キングレコード)  「吉本百年物語」4月公演をマスコミなどにプレ披露 金貸しお銀を熱演 [舞台]

◆創業100周年を迎えている吉本興業の歴史を描いた「吉本百年物語」のマスコミ向けプレ公演が、2012年4月10日、大阪・ミナミのなんばグランド花月 (NGK)で行われた。劇中で重要な役どころとなる金貸しお銀役をキングレコードの神野美伽が好演した。

家主お銀.jpg
創業資金をお銀から借りる2人.jpg
家賃の取り立てに来たお銀と貧乏芸人(上)とお銀から開業資金を借りる吉本吉兵衛とせい

 公開されたのは4月13日から始まる4月公演(5月6日まで)。
1912(明治45)年の創業前から創業者の吉本吉兵衛の死までを描いている。100年間を月替わりの12本の芝居にして公演する。
 家業の店を倒産させるほど芸能好きの吉本を陣内智則、その妻で経営面で夫を支えるせいを国仲涼子が演じている。そのほか吉本興業の落語家、漫才師など、お馴染みのお笑い〈役者〉 が脇を固めている。

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南地花月.jpg
お銀は徐々に、せいの商売の才覚に惚れ込んでいく

 神野は35年前、まだ子どもの頃、なんばグランド花月が「なんば花月」と呼ばれていた時代に、当時のバラエティーショー「ポケットミュージカル」に出演して、芝居のかたわら歌を歌ったことがあるという。
 神野は「それをきっかけに歌の道に進むことになりましたが、100年という節目に大事な役で芝居を演じさせて頂くのは、不思議な縁を感じます」と、感慨深げ。


第二文藝館.jpg 延べ3週間の稽古でこの日を迎えた神野は、芝居の出来栄えについては「全然ダメです。自分ながら腹が立ちます」と控えめ。
 お銀という役どころには「魅力を感じる女性ですね。自分とはまったく違いますが、魅力を感じるタイプの人です。明治にはこうした人がいたんですね」と、話していた。


 歌のオンステージはなく、今回は〈役者〉に徹し切ったが、劇中では一瞬ながらも端唄「からかさ」を披露する場面もあるなど、いつもながらの芝居達者な神野は、観るものを楽しませてくれる。









◆芝居は河内家菊水丸の河内音頭による新聞(しんもん)詠みの口上で幕を開けた。商売に失敗して無一文になった吉兵衛とせいの夫婦が、芸人が住むどぶ底長屋に移り住むところから始まる。
ふたりは今里新地の芸子上がりの金貸しのお銀に300円を借りて、寄席を開業する。1人5銭の木戸銭などせいのアイディア商法が当たって、次々に寄席を買収していく。

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賑やかに河内家菊水丸の新聞詠みの口上で幕が開いた

 そんな時、大手興行主の嫌がらせで芸人を引き抜かれるなど、創業以来順調だった商売は最大のピンチを迎える。

 再びお銀の手助けもあってピンチを逃れ、念願の一流寄席を手に入れ、南地花月としてオープンさせるが、そんな矢先に吉兵衛が死んでしまう。残されたせいは「日本一の興行主になる」と、天国の吉兵衛に誓う。

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出演者全員が揃ってフィナーレ

 プレ公演を終えた神野は、11.12の両日は、それぞれ福島県と新潟県でのコンサートに出演する。13日の初日からは5月6日までの19日間、NGKのステージでシコミカルな場面も盛り込みながらもシリアスな演技を見せてくれるはずだ。



[神野美伽 オフィシャルウェブサイト]
http://www.shinno-mika.com/
[吉本百年物語]
http://www.yoshimoto.co.jp/100th/monogatari/


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神野美伽(キングレコード) 笠原章率いる劇団若獅子公演「王将」の再演で坂田三吉の妻と娘の2役 緒形幹太らと共演 [舞台]

◆新曲「桜みち」が好調の神野美伽が2011年11月1日、東京・日本橋の三越劇場で初日の幕を開けた劇団若獅子錦秋公演で、平成23年度(第66回)文化庁芸術祭参加公演・文化庁芸術祭協賛公演「王将~坂田三吉の生涯~」(作・演出=北條秀司)に特別出演し、坂田三吉の女房・小春と娘・玉江の一人2役を演じた。11月9日までの9日間にわたって全13回上演。


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 将棋棋士・坂田三吉が将棋の駒に命をかけた男の一代記「王将~坂田三吉の生涯~」は、2009年3月から4月にかけて全国9カ所で上演したものの再演。2008年10月に71歳で亡くなった緒形拳さんが所属していた劇団「新国劇」の流れをくむ笠原章率いる「劇団若獅子」が、緒形さんの当たり役だった同演目を故人の追悼公演したものを、今回、再び上演した。

 新国劇のスター、故辰巳柳太郎さんとその弟子・緒形拳さんの代表作で、緒形さんにとっては生前、長男・緒形幹太との共演の約束を果たせなかった思い出の作品でもある。

 初演に続いて再び出演依頼された神野は「歌を歌わず、お芝居だけという仕事は、一昨年のこの『王将』が初めてです。そのときは、『王将』の資料を手当たり次第に読み漁って、プレッシャーが大きくなってしんどかったんですけれど、今回は役を楽しみたいと思っています。将棋に賭けた男のドラマにとどまらず、家族愛、夫婦愛、兄弟愛も描かれているので、ぜひ多くの方に見ていただきたい」と話していた。


王将・出演者.jpg

 同劇団の代表で、坂田三吉役の笠原は「『王将』は、私がいた新国劇の名作中の名作で、先人たちの名演技のプレッシャーと毎日闘っています。師匠・辰巳柳太郎の十八番でした。神野さんにはお忙しい中、今回も出演していただくことになりました。楽屋は和気あいあい、舞台は厳しくやらせていただいています」と挨拶。

 前回に続いて三吉の弟子・森川役で出演の緒形幹太は「再演ですが、初演と思って一生懸命演じたい。将来はぜひ坂田三吉役をやってみたいです。父に怒られないように一生懸命演じたいと思います」と話していた。



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