大阪ミナミ400年祭記念曲「道頓さん」制作発表 それを歌う女子グループ「大阪歌謡女子団」結成へオーディションも

今も昔も変わらない賑わいを見せていね大阪・道頓堀

◆道頓堀開削400年にあたる今年、道頓堀・ミナミエリアで16年２月まで開かれている大阪ミナミ400年祭の記念曲「道頓さん」の制作と、それを歌う大阪ミナミ発の女性歌手グループ「大阪歌謡女子団」のデビューに向けてのメンバーの公募発表が、2015年４月７日、大阪・道頓堀のカラオケボックス「カラオケレインボー」で行われた。会見には曲を制作した作詞家のもず唱平、作曲家の中村泰士、大阪ミナミ400年祭実行委員会会長の千田忠司千田硝子食器社長、関西演芸推進協議会専務理事の中井政嗣千房社長、琴平能弘レインボー・エンタープライズ社長が出席した。



「道頓さん」の制作実行委員会のメンバー
（左から中井氏、千田氏、もず氏、中村氏、琴平氏）

　「道頓さん」は作詞をもず唱平、作曲を中村泰士といった在阪の初コンビが担当した。発表会の席上で披露された仮歌は、ポップス仕立てながらも歌謡曲調のメロディーで「まるで大阪のお好み焼きのように色んなものが混じった」（中村）昔懐かしい昭和歌謡を想わせていた。
　道頓堀には1928（昭和３）年に作られ、長く親しまれてきたヒット曲「道頓堀行進曲」がある。ジャズの要素を取り入れた斬新な楽曲として知られているが、それと同様に「道頓さん」も「新しい音楽の試みが感じられる。かつてジャズの最先端な町として知られた道頓堀に相応しい楽曲」（もず）になった。


　これを歌うことになる女子グループ「大阪歌謡女子団」のメンバーは、15年４月13日から15日までの３日間限定で公募によって数人を選ぶ。対象はプロ・アマを問わず、小中学生から30歳までの女子。
　歌唱オーディションは４月18、19の両日、大阪・道頓堀のカラオケレインボーで中村、もず、琴平社長らで行われる。
　中村は「美しいアンサンブルを目指しており、明るく歌える30歳までの幅広い層を揃えたい」と話している。

　「道頓さん」は曲先行で作られ、それにもずが道頓堀の開削に貢献があった安井道頓を主人公に詞を書いた。
中村は「歌謡曲を継承する女子を育てたい」と意欲を見せ、一方のもずは「いつか中村と一緒に仕事をしたいと思っていただけに、本人から作詞の依頼をもらってふたつ返事で受けた」と打ち明けた。

中村氏

　また記念曲制作の実行委員のひとりで大阪ミナミ400年祭実行委員会会長の千田氏は「ミナミにはWiFiや多言語対応なと゜ハードは整いつつあるが、文化面が遅れていた。文化のないところに豊かな町作りは無理で、この歌がそのきっかけにるはず」と、ミナミの盛り上げに期待を寄せていた。

　大阪歌謡女子団のメンバーと歌は、６月２日、橋幸夫、天童よしみらが出演する大阪・中之島のフェスティバルホールで行われる「第１回大阪歌謡フェスティバル」で披露される。
そのあと同女子団は、大阪ミナミ400年祭のイベントのほか道頓堀のライブハウスで毎月定期的に開催されている「道頓堀SUPER歌謡劇場」、中村泰士のラジオ大阪の番組などに出演して、記念曲「道頓さん」を広めていく。


もず氏

　CDはインディーズレーベルで６月２日に発売される。カップリング曲には「道頓堀SUPER歌謡劇場」に出演する叶麗子、林よしこによるデュオ「レインボー姉妹」が歌う「恋する女は七色仮面」（作詞作曲・中村泰士）が収録される。ふたりの性格に合わせた明るい曲調に仕上がっているという。

　「道頓さん」「恋する女は七色仮面」はいずれもダウンロード配信も行う。


千田氏

　曲を制作した中村は歌い手を目指してＧＳの登竜門とも言われたジャズ喫茶「ナンバ一番」に足げく通っていたし、もずは道頓堀の松竹新喜劇で劇作家のアシスタントをしていた。いずれも将来の夢を見ていた懐かしい場所である。
　そんな縁のある町であったし、「中村さんはあか抜けした音楽を作る人で、『道頓さん』にも新しい音楽の試みが感じられる。かつてジャズの最先端な町として知られた道頓堀に相応しい楽曲」と、評した。

　若い頃に道頓堀でジャズや流行歌を貪り聴いたという中村は「女子団は今後、追加オーディションもやりたいし、大人の鑑賞に耐える歌を作って、AKBに代表されるヤングポップス路線の音楽に一石を投じたい」と話している。

　オーディションの受付・問合せはクリスタル・コミュニケーション、期間中いずれも午後１時から同５時まで。電話は06-6776-0800。