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レーモンド松屋(ユニバーサル・ミュージック)  あべのハルカスをモチーフにポップな大阪を歌う「Kissしてハグして大阪」 [インタビュー]

◆大阪と言えばコテコテな浪花演歌が似合う街。そんなステレオタイプなイメージを捨てて、どこかお洒落なポップな街にさえ感じさせてくれるのが、レーモンド松屋が2016年5月25日に出した新曲「Kissしてハグして大阪」である。欧陽菲菲の「雨の御堂筋」のような大人の恋の舞台となる大阪がそこにはあった。


レーモンド松屋.jpg レーモンド松屋の名前を一躍世に知らしめたのは、五木ひろしに提供した「夜明けのブルース」がヒットした時からであろう。記者がその存在を知ったのは、彼が2010年にメジャーデビューするずっと以前、まだインディーズとして活躍していた頃である。四国のあちこちで歌っていた彼は、地域の祭りであったり、時には居酒屋でキーボード奏者の野嶋久仁子と一緒にライブ活動を続けていた。そのライブの様子をファンの誰かがYouTubeにアップしたものを見たのが最初であった。美しい瀬戸内の風景をグループサウンズ調のメロディーで表現する、彼の音楽の原点がそこにあった。
 レーモンドは子どもの頃から昭和の名曲が大好きで、今はポップス歌謡曲だけではなく演歌も書く。去年5月には「望郷屋台酒」といった演歌を書いて、自ら歌っている。どんな楽曲を作っても彼なりのこだわりの詞が入っている。
 新曲の「Kissしてハグして大阪」で言えば、もちろんKissしてハグしてだろう。




 「どこかで見聞きしたものを、いつか使おうとメモしていた言葉なんです。Kissしてハグして~って叫びたくなる時がある。それに応えてくれるのが大阪の街じゃないかな。それをタイトルにもしているんですが」
 レーモンドにとって大阪の街のイメージも「キスしてハグしてくれるような優しいお袋のような街ですね」とポップな感覚である。

 「Kissしてハグして大阪」は、天に向かってそびえ立つあべのハルカスを初めて見た時に「とにかく大きい。将来の夢や希望がどこまでも広がる力強さを感じた」という。それをモチーフにすることで「やはり大阪をポップに歌って表現した『雨の御堂筋』と同じように、大人の恋を書いてみようと思ったんです」

■これからも四国で創作活動

 インディーズ時代に作った「安芸灘の風」が59歳の時にメジャーデビュー曲になった。2作目は南かなことの競作になった「雨のミッドナイトステーション」だったが、第3弾ではやはりインディーズ時代に作った瀬戸内の海峡をモチーフにした「来島海峡」を歌った。いずれもレーモンド自身が作詞作曲をしている。
 愛媛県西条市で育ったレーモンドは、地元の高校時代からバンド活動をしていたが卒業後に東京の音楽専門学校へ通うことになる。アルバイトをしながら音楽の基礎を学んでいる。
 「この頃、ロックなどいろんな洋楽から刺激を受けました。どれも今の音楽の下地になっていますね」

 23歳で愛媛県西条市に戻った彼は、現在に至るまで西条市を拠点に活動を続けることになる。地元に帰って間もなく、井上陽水の「心もよう」に魅せられてしまう。シンガーソングライターの道を選んだのも、この歌が大きく影響している。自分で作った歌を自ら歌うライブ活動を始めるのである。



 「安芸灘の風」は2008年に作った。有線放送で流れると曲の問い合わせが相次いだ。この楽曲人気は長く続く。2年後の2010年になっても、2月から4ヶ月連続で有線放送の問合せチャートで1位にランキングされている。これがきっかけでユニバーサル・ミュージックからデビューすることになる。
 「20代の頃は世に出たい一心で目はギラギラしていたけれど、それがなくなると評価されました」
今は瀬戸内に面した西条の街で夫婦2人の生活。娘2人に孫がふたりいる。ギターで曲を作り野嶋がキーボードでチェックして、毎年CDを1枚リリースするパターンである。五木ひろしへの楽曲提供は3年間4曲続いた。香西かおりにも提供した。今、新たに提供楽曲を手がけているという。
 東京での仕事も増えたが、拠点を移す考えはない。東京にいるといつも仕事モードになるからだ。
「打合せだといって出かけなければいけないし、嫌いじゃないお酒にも付き合うことになりますしね」と笑う。

■創り手を挑発する言葉を探して


レーモンド松屋・Kissしてハグして大阪.jpg その大人の恋を描いた「Kissしてハグして大阪」。それを ♪ 古い写真より、今のお前 ~ という詞で表現した。
 レーモンドの詞作はストーリー創りから始まる。こんな切ない恋なんかやめてしまいたい、でも・・・といった女性の心情を盛り込んだドラマを頭に描く。「 ♪ あの橋渡れば ~ その先には何があるのだろうか。その世界を考え書きます」。詞は20代の頃から人の会話やテレビ、ラジオなどで聴いた言葉をメモしているネタ帳から引っ張り出す。
 ヒット曲「夜明けのブルース」でも、女性から ♪ 秘密に出来るの ~ なんて言われるとドキッとする男性も多いだろうが、その言葉もネタ帳が産み出したものである。

 でも女心は男性からは分からないことばかり。それは想像の世界である。「ひょっとしてそうじゃないかな・・・なんて考えて楽しんで書いています。中には自分でジーンと胸に迫ってくることもありますよ」

 このところ作曲を求めて演歌の詞が送られてくることも増えている。
 「曲作りで大切にしたいのは、創り手を挑発してくるようなドキッとさせられる言葉(詞)ですね。これからもそんな切り口で曲作りをしていきたい」


[レーモンド松屋 オフィシャルサイト]
http://raymondm.com/
[レーモンド松屋 ユニバーサル・ミュージック ジャパン]
http://www.universal-music.co.jp/raymond-matsuya/





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