第４回石見銀山歌謡祭、 来年までみなさんお元気で！ 会場の熱気に包まれた歌巧者たちののステージ

第４回石見銀山歌謡祭の出演者たち

◆レギュラーの永井裕子（キングレコード）に初出演の藤原浩（同）塩乃華織（日本クラウン）川崎修二（徳間ジャパンコミュニケーションズ）、それに特別ゲストの岡ゆう子（同）の５人が出演した「第４回石見銀山歌謡祭」（主催・同歌謡祭実行委員会）が、2015年７月５日、島根県大田市のサンバレー大田で開かれた。オープニングで永井が同市和江漁港を舞台にした「和江の舟唄」を歌うと、過去最高の約400人の演歌好きで埋め尽くされた会場からは、待ってましとばかりに大きな歓声で彼女を出迎えるといった盛り上がり。それぞれ新曲や代表曲を歌って、集まった観客を楽しませた。



















永井裕子

　歌謡祭は「演歌で町の活力を盛り上げよう」と、同市の石見銀山が世界文化遺産に登録されて５年目にあたる３年前に、同市のCDショップ歌の駅えんかなどが中心になって始まった。
　当初からレギュラー出演している永井裕子。今回もメインゲストとして元気な姿を見せた。
　「石見路ひとり」とそれに続く「和江の舟唄」で、石見の国おおだ観光大使を務めるようになり、島根を全国にアピールしている。大田を第二のふる里と呼んで年に３、４回は訪れているほどの熱の入れよう。
オープニングでは「ただいまぁ～」とあいさつ。「最近は第一のふる里のように感じられるよいになってきました」と話し、人気曲「そして雪の中」を歌った。


川崎修二

　前半は出演者それぞれが代表曲を披露した。
　前作で10周年記念曲「雪国列車」、今作のカップリング「あかり川」を歌ったデビュー12年目の川崎修二には、席を立ち上がって手を振るファンなど熱い歓迎ぶり。続く塩乃華織には「かおりちゃ～ん、おかえり」の呼び声が。「陽だまりの花」「ほっといてんか あんな阿呆」を歌うと、手拍子で盛り上げていた。


塩乃華織

　藤原浩が今も人気の高い「ふたりの始発駅」、デビュー20周年記念曲第二弾の「こぼれ酒」を甘い声で歌うと、女性ファンからたくさんの声援が送られていた。デビュー22年目の彼は15年前から島根でキャンペーンをしている。その地道な活動が功を奏してか、ステージにはプレゼントを持って駆けつけるファンの列が続いていた。


藤原浩

　特別ゲストの岡ゆう子は「よりそい傘」「寿酒」「長良川」「あんたに雨やどり」など、そして新曲の「ひえつき望郷歌」と人気の話題曲を披露。新曲では「ふる里佐賀と父母を思い出して歌っていますが、ジーンと胸に迫ってきます」と、デビュー30数年というベテランもふる里が今も歌う支えになっていると話していた。



















岡ゆう子

■

　後半は永井が新曲「雪国ひとり」のほか、「玄海恋太鼓」「石見路ひとり」「郡上八幡 おんな町」といった人気曲を歌って「成長した永井裕子を見てもらえるとうれしいです」と、しっとりとした女性へと変化していく様を、自らの歌の歴史で表現していた。また永井は「来年もこの歌謡祭に呼んでいただきたい」と呼びかけていた。




















　これより先、川崎、塩乃、藤原が新曲などを披露。
　川崎は自らの人生経験を歌にした「大阪雨やどり」と「おまえが命」、新曲の「風の川」をうたい、12日にはNHKラジオに出演するほか、最近はテレビドラマへの出演回数を増やしていることをアピールしていた。




















　塩乃は島根の県花である牡丹柄の着物姿で島根にちなんでオリジナルでは新曲「夜更けのワルツ」、カップリングの「つよがり芝居」などを歌った。１部のカラオケ発表会では、彼女の名前をもじった＜海乃かおり＞さんが出演して新曲を歌ったほど同地での人気も高く、彼女は「穏やかな大人の女性の歌。そんなわたしを感じてもらえるとうれしいです」と話していた。８月４日には同市の港祭りにも出演するという。

　藤原はティナーサックスのイントロなどムーディーな新曲「骨まで凍える女です」を歌うと、彼の新たな魅力に魅せられた観客はうっとりと聴き入っていた。また雰囲気をガラッと変えた「とりあえずビール」をろう細工のビアジョッキを片手に景気良く歌うと、会場は大歓声に包まれていた。




　最後は全員がステージに揃って、サインボールを客席へ向けて投げてプレゼント。来年の再会を約束していた。