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西方裕之(キングレコード)  「港やど」 下田を舞台にしっとりと歌う女歌 言葉を置き方を変えて易しく感じさせる  [インタビュー]

西方裕之.jpg西方裕之と同じ佐賀県出身の池田輝郎(キングレコード)がデビュー前から彼の歌に心酔していたほど、西方の歌巧者ぶりはよく知られている。しかもその多くは女歌で、そのためか彼には女歌のイメージが定着してしまっているようだ。もちろん今回の33枚目のシングル「港やど」もそうである。女歌と言えば主人公は女性であるが、そこに登場するもうひとりの主人公である男性の優しさも感じさせるのは西方の歌唱力。そんな男をぐっと引き立てたのがカップリングの「おまえと道づれ」である。こちらは男歌である。こんな歌が欲しかったという西方の希望がかなった1曲でもある。


西方裕之・港やど.jpg









 来年はデビュー30周年だという。同期には坂本冬美がいる。あまり周年を意識しないのであろう、坂本に教えてもらうまで30年になることを知らなかったと打ち明けるほどだ。
 「彼女は僕のことをあんたと呼ぶんですが、最近もあんたも30周年でしょう、と指摘されました。それで初めて知ったんです」
 そんな呑気さが西方のキャラクターでもあり、ステージでは「よく30年もっているね」と客席を笑わせる。

 そうした西方からは想像もつかない、切ない女心をしっとりと歌ってくれる。新曲「港やど」は下田を舞台に、切なさをつのらせる女性を歌っている。1番から3番まで「下田」の地名が出てくるし、「寝姿山」「お吉浜」といった名所の名前も見られる。
 ご当地演歌かと思えばそうではないという。ところが発売前日には、下田のご当地ゆるきゃら「ぺるりん」とともに新曲をアピールするキャンペーンを行っている。

西方裕之3.jpg

 カップリングの「おまえと道づれ」とともに作詞が仁井谷俊也、作曲は水森英夫、編曲は伊戸のりおである。水森作品は2年半ぶりの3作目である。2012年の「瀬戸内しぐれ」、13年の「ふたりの夜汽車」に次ぐもので、今回もしっとり演歌の女歌である。

 発売後の評判は良いという。「たくさんの人にカラオケで歌っていただいているようです」
 こぶしの出し方を変えたのと、ジャストキーから半音を下げている。歌うに際しては感情が出過ぎないようにも注意する。そのためか「易しく歌っているように感じる人が多く、歌い易いと受け止められている」と西方。
 カラオケを歌う人たちが歌い易く作ってもらったというが、西方は「母音を使って歌いますが、その言葉の置き方を変えてみたんです」と、歌には彼独自の工夫が見られる。
 もらった楽曲にはそうした彼独自の変化を加えた歌唱をいつも試みているが、今回は今まで以上にピッタリとはまったようだ。


西方裕之2.jpg 「変化を持たせていますが、どこが違っているの、と思われるかもしれませんね。でも、それによって微妙な感情表現を変えています。こうしたちょっとした歌唱の工夫で歌の可能性はどんどん広がります。僕の歌もまだまだ進化している最中です」

 30年という長い歌手生活でも、新曲のカップリング「おまえと道づれ」のように、男の優しさを表現する作品はなかった。長い間「こんな歌を歌いたかった」と思い続けていた。まさに待望の作品だった。
 「どちらもメイン曲にふさわしい楽曲で『おまえと道づれ』は次作のメインに取っておきたかったほどです」。

 今回の「港やど」には、そんな自信たっぷりな2曲が収められている。





[西方裕之 オフィシャルサイト]
http://www.sato-kikaku.co.jp/nishikata/ayumi/
[西方裕之 キングレコード]
http://www.kingrecords.co.jp/cs/artist/artist.aspx?artist=17570





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