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角川博(キングレコード)  新曲「博多川ブルース」のカップリング「ひとり三次へ」の人気が再燃 YouTubeで再生回数急伸 [インタビュー]

◆キングレコードの歌手、角川博が2020年2月19日、約10年ぶりに大阪流行歌ライブに出演。その前日、最新曲で19年7月に出した「博多川ブルース」と、このところ人気再燃の「ひとり三次へ」などについて話を聞いた。カップリングに収録した2曲のうち1曲の「ひとり三次へ」は35年前にアルバムからシングルカットされた作品であり、当時は「伊豆の雨」のB面であった。それが今、YouTubeの再生回数が320万回を超え、カラオケで歌う人たちが増え続けているというのである。

角川博 2.jpg
角川博


 「博多川ブルース」を出すに際して、カップリング曲の選曲は「化粧川」(2001年5月)は担当ディレクターが行なっているが、「ひとり三次へ」は角川が自身で選んでいる。それでもこれだけの人気の理由が分からないという。
 「この歌は難しくてあまり好きじゃないんです。リズムが取り難い。それが逆に歌を客観視出来て、歌い易いようにあっさりと歌うことで、良さが出ているんじゃないでしょうか」

角川博・博多川ブルース.jpg YouTubeでの再生回数が増えはじめたのは「博多川ブルース」が発売された前後あたりから。1日に2万回も増えた時もあったほどである。
 アルバムに収録されていたこの楽曲を引き出したのは、同じキングレコードの神野美伽だったという。彼女が「こんないい歌をどうしてシングルで出さないの」と、言ったのがきっかけでシングル化されたという。

 「歌詞の ♪ あなたの女 三次にいます は歌う人の好みの人の名前や地名に変えて、カラオケで楽しむことが出来ます。これもたくさんの人に歌われるようになった理由かもしれませんね」
 角川はこのように分析してみせる。


 デビューから45年、角川は与えられた楽曲を黙々と歌ってきた。それは「歌うことがビジネスであり、趣味じゃない」からである。デビュー曲は歌手を辞めようと思うほど嫌な歌だったという。しかしその想いは「胸の奥にしまって」歌った。
 「好きな歌を歌っていたのでは<角川博>ではなくなってしまいます。たとえば自分で作った歌を歌えば、不必要な感情が入ってしまうので、趣味の歌になってしまいます」

 彼は広島県吉田町の出身である。未練な女の恋歌である「ひとり三次へ」の舞台となっている 同県三次市の隣である。それだけにこの歌への想いが熱いのだろうかー。それにはこのように答えている。
 「この街で過ごしたのは子供の頃ですから、歌のような思い出はありませんが、想いを込めて熱っぽく歌い過ぎると、歌はくどくなる。ただばく然と歌う方がいいです」





 今作のメイン曲「博多川ブルース」の舞台は博多。華やかにネオンきらめく夜の盛り場で出会った2人の切ない恋歌である。たきのえいじ作詞、岡千秋作曲、編曲は南郷達也。女歌を歌わせると右に出るものはいない、と言われるほどの角川が抜群の歌唱力で、淡々と女の気持ちを表現している。

 やはり歌う職人技をこの楽曲でも見せている。
 23歳でデビューした角川は今は66歳。キングレコードでは北川裕二、池田輝郎と同じ1953(昭和28)年生まれである。いずれも優れた歌手であり、声は若々しい。ジョイントライブを望む声もある。

 「やるとすれば4年後ですね。共に70歳になり、3人合わせて210歳です。ジョイントするならこの時ですね」
 70歳でも十分に声は出る、と自信を見せる。その若さを保つのは歌い続けることだという。「元気いっぱいに歌おうと思えば、常に年齢を半分ぐらいに止めておかないといけないね。まだ懐メロ歌手にはなりたくないから」

 ところが心配なのは、このところ元気がないと言われている演歌・歌謡曲の世界である。これには角川も憂慮する。そんな現状の中で、歌手としてどうあるべきなのか。
 「歌い手の想いが伝わらないような歌番組では、歌い手も聴き手もつまらなくなる。また最近台頭してきている若手歌手に負けない、ベテランのいい歌を届けることも大切ですね」

 前回のインタビューと変わらない若々さを感じさせてくれた。


[角川博 オフィシャルサイト]
http://www.kadokawa-office.com/
[角川博 キングレコード]
https://www.kingrecords.co.jp/cs/g/gKICM-30929/








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