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湯原昌幸(テイチクエンタテインメント) ニューシングル「マッチ」 大人版のマッチ売りの少女 大人のメルヘンとして静かな人気 [インタビュー]

湯原昌幸4.jpg◆このところとんと使わなくなってしまったマッチだが、それをモチーフにした楽曲が評判だ。大ヒット曲「雨のバラード」で知られる湯原昌幸が2016年8月に出したニューシングル「マッチ」がそれ。大人版の童話・マッチ売りの少女のような歌である。暗く沈んだ心にひと筋の灯りをともしてくれるマッチの火に、見果てぬ夢を映す。カップリングの「笑い飛ばせばいい」とともに、生きる応援歌として注目されている。来年古希を迎える湯原は、今なお元気いっぱいのアイビースタイルのシンガーである。










 身を削って仕事に打ち込み、それが生きがいと信じていたが、ある日突然に心が折れ、生きることさえも苦しく、絶望の闇に先が見えなくなってしまった。そんな時に街角でふと出会ったの1人のマッチ売りの少女。もちろん今時、こんな少女がいようはずもないが、1本のマッチの灯にぬくもりと明かりを求めてしまった。 ♪ 束の間炎に 夢が映るから ~ 。大人のメルヘンである。

湯原昌幸・マッチ.jpg こんな物語の詩を受け取った湯原は、得意のバンドサウンドで歌謡曲タッチに自ら曲を書いた。作曲はバンド時代から手がけているが、今は自宅の自室で曲を作る。書きためた作品は500、600曲にもなるという。クローゼットを改装して作った歌唱ルームで演奏し、歌う。そんな曲作りのスタイルがここ数年続いている。

 湯原が「マッチ」をディレクターから「こんなのがあるよ」と見せられたのは、前作の「再会酒」(2015年)をレコーディングした時だった。
 「詩を読んでシンプルで、取り立ててインパクトはないけれど、面白いと感じましたね」
 その後、詩は少し変更もあって「格好良くて、切なくて、しかもバンドサウンドを基本に歌謡曲という僕のスタイルを踏襲して仕上げました」と湯原。

 その詩を書いたのは宮田純花。作詞だけはでなく、作曲も行うなど幅広く活躍している。あさみちゆき(テイチクエンタテイメント)や西田あい(日本クラウン)などの楽曲も手がけている。
 湯原と宮田との出会いは去年、西崎緑(テイチクエンタテインメント)と組んで「再会酒」のデュエットバージョンを出した際に、カップリングに収録した「ほろ酔い五番街」を作詞したのが最初だった。曲は湯原が書いた。

湯原昌幸3.jpg

 この人、かつてプロ野球で「8時半の男」と呼ばれ、読売ジャイアンツでV9にも貢献したリリーフ投手宮田征典氏(故人)の娘である。
 宮田氏はジャイアンツでの現役期間は、わずか8年だったが、野球ファンならずとも多くの人の記憶の片隅に残る名投手である。
 そんな名声とは裏腹に、晩年は病気とも闘うなど「決して順風満帆ではなかった」といった声も聞かれる。「マッチ」はそうした父親の背中を見ていた宮田だからこそ誕生したのかもしれない。

■古希の記念楽曲も企画

 湯原は来年3月に70歳になる。「雨のバラード」から45年が経つ。今なおアイビー調のファッションの<格好いい>オジサンぶりを見せてくれている。彼の音楽も洋楽がベースにある。それを歌謡曲調に化粧アップする。古希を迎えても独自の存在感を示す理由もそこにある。
 「節目の年ですから、次に予定している楽曲はさらに強烈なものにしたいです。イベントも含めてこれから内容を考えていきたい」



 今は過去に作ってきた楽曲をまとめる作業を進めている。
湯原の妻で歌手・タレントの荒木由美子は、義母を介護し、自らは介護うつも経験している。それを題材に講演も回数を重ねているが、それを歌にした「幸せの回数」(ライスミュージック、2011年)は、夫婦のラブソングとして静かな人気をみせている。
 湯原は「そんな等身大の歌とトークで構成したような、今も時折やることがある『大人の同窓会』のようなステージやイベントもいいね」と、古希記念イベントを企画中である。

■特賞マッチ1年分の企画

 暗い、辛いイメージのメイン曲に反してカップリング曲「笑い飛ばせばいい」は、タイトル通りに嫌なことは笑い飛ばしましょう-といった明るい歌。これの発売を記念してテイチクエンタテインメントでは、自分の心にマッチの火を灯して、辛いことも哀しいことも川柳にして笑い飛ばしてしまおうと、必笑な川柳を募集している。
 特賞はなんとマッチ1年分と落語CDセットが1人に。湯原昌幸賞は湯原おススメのワインが、これも1人に贈られる。

 マッチを使う機会は極端に減っている。それを1年分ももらえるというのである。これが笑わずにいられようか。笑いすぎてマッチの火も消えてしまいそうな、ユニークな企画である。
 締切りは2016年11月18日(消印有効)。応募要領など詳しくはテイチクエンタテインメントの湯原昌幸サイトに記されている。


[湯原昌幸 オフィシャルサイト]
http://www.havmercy.co.jp/yuhara/pg80.html
[湯原昌幸 テイチクエンタテインメント]
http://www.teichiku.co.jp/teichiku/artist/yuhara/




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