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大月みやこ、由紀さおり、市川由紀乃が美空ひばりを歌った  美空ひばり生誕80周年記念公演「美空ひばり劇場」  大阪・新歌舞伎座

◆真っ赤なドレスに身を包んだ美空ひばりがスクリーンの中で、生前最期の楽曲となった「川の流れのように」を歌っている。ステージではその映像にあわせて大月みやこ、由紀さおり、市川由紀乃の3人が、いずれも黒一色のドレスでそれを歌う。2017年2月19日から同22日までの4日間、大阪・上六の新歌舞伎座で開かれた美空ひばり生誕80周年を記念した特別公演「美空ひばり劇場」である。美空ひばりが残した数々の名曲を、多くの人の心に届くように歌い継ぎたいと、3人は昭和歌謡界の女王と呼ばれた彼女の代表曲をカバーした。美空ひばりの秘蔵映像を交えながら、それぞれの最新曲も披露して、集まったファンを楽しませていた。

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 12歳でデビューして天才少女歌手と呼ばれた美空ひばりは、1989年6月24日、52歳で亡くなっている。その生誕80周年を記念した4日間限定の歌謡ショー。各日、日替りのテーマが設けられて、3日目の21日は「ひばりのジャズ、スタンダード、歌謡曲の世界」と題して、大月、由紀、市川の3人が、ひばりが生前に歌ったジャズ・スタンダードからオリジナル曲までをカバーした。

 1部のオープニングは「東京キッド」(由紀)「悲しき口笛」(市川)「港町十三番地」(大月)で始まり、さらに大月は「テネシーワルツ」を、市川は「日和下駄」を軽快に歌うと、由紀はジャズのスタンダードナンバーである「A列車で行こう」へと続けた。

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大月みやこ

 さらに「真っ赤な太陽」「哀愁出船」を歌った市川は「幼い頃からいつもそばにひばりさんの歌がある中で育ってきました」と美空との関わりについて触れた。デビュー5年目で初めて仕事を一緒にしたという由紀は「その時にひばりさんから、あなたにはこの歌がいいんじゃない、と言われた」という「哀愁波止場」「車屋さん」を歌った。
 大月は「人生一路」「みだれ髪」を歌い「美空さんの歌を歌い継いでいきたいという願いが、こうして挑戦させていただくことになった」と話した。

■秘蔵映像と歌で綴った美空ひばりの世界

 2部では3人がオリジナルを披露した。
 まずは、今回大阪入りする2日前には美空の墓参りをして、精一杯舞台を務める、と誓ったという市川が10年前の「海峡出船」そして前作の「命咲かせて」最新曲の「心かさねて」の3曲を、2月15日に新曲「紅ひとり」を出したばかりの大月は代表曲「白い海峡」と「女の港」「乱れ花」、そして「紅ひとり」を歌った。
 デビュー48年の由紀はデビュー曲の「夜明けのスキャット」「手紙」「恋文」、さらにはテレサ・テンのオリジナルボーカルと由紀のニューボーカルによる新録の「あなたと共に生きてゆく」を披露した。

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市川由紀乃

 歌い終わった3人は「幸せな時間を過ごさせてもらいました。3月22日には新曲『はぐれ花』を出しますが、一歩でも美空さんに近づいていけるように、歌の道にがんばっていきます」(市川)「残念ながら一緒に仕事するチャンスはありませんでしたが、ひばりさんの歌をたくさん書いておられる故船村徹先生にお会いして大月の女の歌世界を作ってもらえました」(大月)
 「かつてひばりさんのハワイ公演に一緒させていただきました。そこでもお稽古を欠かさず、いつも大事にされる人でした。その時の様子は今も心に大事にしまっています」(由紀)と、それぞれが美空への想いを語っていた。

 ステージも大詰めを迎えて、今度は彼女が歌う「津軽のふるさと」「柔」「みだれ髪」が、そして ♪ この次この世に 生まれた時にも やっぱり私は うたっているだろう ~ と「歌は我が命」もスクリーンで披露され、懐かしの映像とともに美空ひばりの歌の世界が繰り広げられた。

 最後は3人が「川の流れのように」を、スクリーンの美空と一緒に歌って幕を閉じた。





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