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大月みやこ(キングレコード)  新曲「女の哀愁」を2月22日発売 初の仁井谷作品  聴く人を温かくしてくれる歌 [インタビュー]

大月みやこ2.jpg大月みやこが、2012年2月22日、新曲「女の哀愁」を発売する。作詩は仁井谷俊也、作曲は幸耕平である。発売前から評判がいいという。大月は曲のテーマについて「誰もひとりでは生きていけない。だから愛し、愛することが大切になる」と、自身のホームページで書いている。悲恋の女性を歌うことが多いが、新曲は数少ない「聴く人を温かくしてくれる歌」だという。











 「女の哀愁」。このタイトルからもこの楽曲は、女の悲恋の歌と思われがちだが、大月は「それだけではないんですよ。この歌の一番テーマは、もっと違うところにあります」という。作者が、そして歌い手が、この歌で最も表現したいのは、人はひとりで生きられない。支えあう人が必要であるのだという。
 1番から3番まで、いずれも5行目に出てくる ♪ 愛がこわれたら ひとり生きてゆけないの ~ の歌詞である。

女の哀愁.jpg ここが聴く人を何とも言えぬ温かい気持ちにさせてくれ。表現者である大月が、裏声と地声を絶妙に使い分けて歌う、彼女ならではの技量の見せどころでもある。

 こうした歌は切ないうたと違って、ヤマがなくて難しいと言われる。
 大月のかつての楽曲に「大阪ふたりづれ」(1982年)がある。日陰ばかりを歩いてきた女性が、やっと2人で歩けるようになった喜びを歌っている。
 最初にもらった詞は、3番で、主人公の女性に「まわり道して 帰りましょうよ」と言わせることで、もっと2人でいたい気持ちを表現していた。
 女心を表現させたら右に出るものがいない大月は「~帰りましょう(か)」に変えることで、もっと女性が一緒にいたいという気持ちを的確に表現できると提案した。

 「一緒にいたいけれど、自分からは一緒にいたい、と言えない女の心理を表現できると思って変更してもらいました」

 今作の ♪ 愛がこわれたら ひとり生きてゆけないの ~ も、やはり、主人公が愛する人と一緒にいたいという気持ちを最も表現するところだという。
 大月はここを「息を止めて歌います。吸い込んだ息をお腹に溜めて、それを徐々に出して声を出すんです」という。
 デビュー前にたたき込まれた彼女特有の歌唱法だ。それによって、より切なく女性の気持ちが表現できるからだろう。

不思議なオーラ


 今作は「乱れ花」(1988年)と同じ幸耕平が作曲した。大月と幸は「乱れ花」以来、親しくしているが、当時「次回は、もっと高い音から始まる作品にしましょうよ」と話していたそうだが、それが今作で実現した。
 だから「乱れ花」を越えないといけない、という思いが強いという。
 大月はこれを歌っていて「歌っている間、まったく長く感じないんですよ」と、気持ち良く歌えている。

 作詞は仁井谷俊也だ。大月作品は初めてだという。
 仁井谷は広島・尾道の人だ。30年前、初めて東京に出てきてキングレコードで、大月のレコーディングの現場に遭遇した。
 その時、仁井谷は「大月さんの作品を書かせてもらわないと、キングレコードと仕事をしたことにならない」と感じたことを、「女の哀愁」のレコーディングに際して大月に打ち明けたという。



 仁井谷の想いは今作でようやく実現したわけだが、大月にはどうも不思議なオーラがあるようだ。
 今作のカップリング曲の「抱かないで」の作詞家、田久保真見も同じようなことを言っている。
 田久保とも仕事をするのは初めてだったという大月は、彼女から「こんな素敵な女性と仕事ができて幸せです」と言われている。

残せる歌への挑戦


 歌の作者をそのように感じさせる大月自身も「私の歌ってちょっと、作り手の心の入り具合が違うような気がします」と、感じているのだ。
 「だからこそ、歌手として表現のしがいがあります」と大月。
 大月の歌は難しい、と言われるのも、こんなところにも理由があるのかもしれない。

 大ヒット曲「女の港」も難しいと言われたという。
 「女の港」の作詞は星野哲郎だ。大月はこの楽曲で、デビュー22年目にして念願のNHK紅白歌合戦への出場を果している。昨年6月には舞台劇「恋文 星野哲郎物語」にもゲスト出演したなど、星野と接するのは遅かったが、自身のライフワークという<海><海峡>へのきっかけを作ってくれた人だと尊敬してやまない。
 仁井谷の「女の哀愁」も海が登場する。尾道と山口県の周防大島、どちらも瀬戸内の海とは関わりが深い。

 デビュー50周年も近い。通り過ぎてしまうだけの楽曲から手元に残しておきたい楽曲を増やしたいという。そのために「どのような表現をしたらいいのか、1作品、1作品挑戦している」という状態だ。
 歌手人生の前半は「自分が幸せならいい、と思っていた」と大月。それはいつの頃からか、歌を聴いてくれる人が幸せになってくれるように変わっていった。
 それに合わせて大月みやこの歌への想いも変わっていったようだ。



[大月みやこ オフィシャルサイト]
http://www.otsukimiyako.com/
[大月みやこ キングレコード]
http://www.kingrecords.co.jp/cs/artist/artist.aspx?artist=10066



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