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阿久悠リスペクトコンサート、没後10年・作詞家50年・生誕80年を記念 ゆかりの歌手が作品を歌った 東京国際フォーラム [コンサート]

◆あまりにも激しい情念を綴った「北の螢」(1984年、森進一)まるで映画を見ているようなストーリー性に富んだ「五番街のマリーへ」(1973年、ペドロ&カプリシャス)など、作詞家・阿久悠が残した作品は、どれも彼の豊かな才能に改めて驚くばかりである。2017年11月18日、東京・有楽町の東京国際フォーラム・ホールAで、彼の没後10年と作詞家50年、そして生誕80年を記念した「阿久悠リスペクトコンサート 〜君の唇に色あせぬ言葉を 〜 」が開かれた。森進一、石川さゆり、岩崎宏美ら13組の阿久悠にゆかりのある歌手たちが、1970〜1980年代の彼のヒット曲を歌った。

阿久悠リスペクトコンサート・東京国際フォーラム・ホールA 小.jpg
阿久悠リスペクトコンサートの開演前の東京国際フォーラム・ホールA

 阿久悠が生涯に書いた作品は5000曲を超えるとも言われ、今なおカラオケで歌い続けられている楽曲が数多い。しかも今、未発表曲がCD化されるなど、阿久悠は日本の歌謡界に生き続けている。

 この日、出演したのは岩崎宏美、松下優也、増田惠子、北原ミレイ、石野真子、Char、山本リンダ、BOYS AND MEN、大橋純子、新妻聖子、MAX、石川さゆり、森進一。 いずれも阿久悠の作品を自身のオリジナル曲に持つか、11月15日に発売された阿久悠リスペクトアルバムにカバー作品を収録した人たちばかり。

阿久悠リスペクトコンサート・プログラム.jpg たくさんの歌をもらい、その代表曲「能登半島」(1977年)「津軽海峡・冬景色」(1976年)を歌った石川さゆりが、会場に詰め掛けた約5000人の観客に「デビュー5年目の私に、盆と正月が一緒に来たようにビックリさせてくれたのが、この作品で、これらによって歌手としての名前を覚えてもらえるようになりました」と語りかけた。一世を風靡し今なお第一線で歌い続ける彼らをスターダムに押し上げる役割を果たしたのが阿久悠であった。

 石川はまた、それまでの演歌・歌謡曲が専ら耐えて待つ女性を描いていたが「阿久先生は時代に先駆けて自ら行動する女を歌にされました。今、元気だったらどんな歌を書いておられるのでしょうか」と、想いを巡らせていた。

 1曲1曲、懐かしいメロディーと歌詞はこの日、客席を埋めた1人ひとりに過ぎ去った頃のことを思い出させた。出版社から招待されて客席から観覧した記者も、まだ学生だった1975(昭和50)年当時、テレビ・ラジオを賑わせていた岩崎宏美「ロマンス」のレコードを買っている。この日はその頃を蘇らせてくれた。
 その岩崎はコンサートではトップを切って登場した。阿久が亡くなる3ヶ月前に車椅子の彼に会っており「先生って、こんなに2枚目でしたっけ」と話しかけると「今頃気付いたのか」と、笑っていた阿久とのエピソードを披露。デビュー2作目の「ロマンス」(1975年)と同3年目に出した「思秋期」(1977年)を歌った。

 66歳になった山本リンダは、歳を感じさせないスリムなスタイルで「狙いうち」(1973年)と「どうにもとまらない」(1972年)を歌い「どんなに落ち込んでいても元気になれる」と、ウララウララと激しくステージを飛び跳ねる迫力ぶり。

 大橋純子はデビュー4年目にリリースし、今も代表曲のひとつになっている「たそがれマイ・ラブ」(1978年)を歌い「これがわたしの初のビッグヒットになりました」と、当時を振り返っていた。

 コンサート当日に70歳の誕生日を迎えた森進一は同名映画の主題歌として作られ、比類ない阿久の創造力の高さを感じさせる「北の螢」(1984年)でトリを務め、これからも「阿久先生の作品を歌い継いで行く」と話していた。

阿久悠リスペクトコンサート・写真.JPG


【阿久悠リスペクトコンサート セットリスト】
「いずこ~ふたたび歌を空に翔ばそう」朗読・リリー・フランキー
「ロマンス」岩崎宏美
「思秋期」岩崎宏美
「勝手にしやがれ」松下優也
「もしもピアノが弾けたなら」松下優也
「最後の恋」増田惠子
「ざんげの値打ちもない」北原ミレイ
「北の宿から」北原ミレイ
「失恋記念日」石野真子
「わたしの首領(ドン)」石野真子
「逆光線」Char
「気絶するほど悩ましい」Char
「どうにもとまらない」山本リンダ
「狙いうち」山本リンダ
「フィンガー5メドレー」BOYS AND MEN
「友ありて」BOYS AND MEN
「たそがれマイ・ラブ」大橋純子
「五番街のマリーへ」新妻聖子
「ジョニイへの伝言」新妻聖子
「ピンク・レディ・メドレー Ver.B」MAX
「UFO」増田惠子(ピンク・レディー)&MAX
「能登半島」石川さゆり
「津軽海峡・冬景色」石川さゆり
「さらば友よ」森進一
「北の螢」森進一
「また逢う日まで」出演歌手全員






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