三笠優子（キングレコード） 新曲「のぞみ坂」 評判高い夫婦演歌 1月30日にはリレー浪曲会出演も

◆三笠優子が昨年11月にリリースした「のぞみ坂」は、どこにでもいそうな夫婦を描いた作品だ。それを説得力ある歌唱で聴かせてくれる。聴く者の多くが共感して、胸を熱くする夫婦ものとして評判を呼んでいる。



女目線で「のぞみ坂」を歌っていると話す三笠優子









　お互いが同じような過去を持った男女が、支えあって生きていこうとしている姿を歌っている。理想的で誰もが憧れそうな関係かもしれない。

　三笠は少し違った見方をする。
　「夫婦のようにも感じられる詞ですが、恋人どうしかもしれない。恐らくまだ知り合って間もない２人でしょう。巡り合ったものどうしが、これから本当の夫婦の絆を作ってこう、と誓い合っている、そんな姿を想像しているんですよ」

　「普段は男の目線で歌うことが多いのですが、この歌は女目線になっています。男性を私が支えてあげないといけない、なんてね。こんな女性ばかりならば、世の中は平和なんでしょうけれども」

　このように聴く人、歌う人によって、いろんな＜ふたり＞を思い描きながら歌えるというのが、この歌のいいところで、相変わらずカラオケファンから熱烈な支持をもらっている理由かもしれない。
　作曲が岡千秋というのも＜これぞ演歌＞と感じさせてくれるものがあるという。

　前作の「風の十三湊」は、大ヒット「夫婦舟」に次ぐ、かつてないほどの高い反響があった。当然、月日とともに売れ行きも収束していくが、新曲「のぞみ坂」が発売されると、再び売れ始めたという。
　「＜風の十三湊＞では本格的なキャンペーンを全国で展開しましたが、その効果もあるのでしょうか。私の歌の魅力を知った人たちに歌っていただいているように思います」







◆来年はデビュー35周年である。
　「何かイベントをやらないとね」と、機会あるたびに口にする。

　ほぼ５年おきに周年記念イベントを開催してきた。毎回のように「私風情がここまでやってこれたのはもったいないこと。このようなイベントができるのも、これでおしまい」と思ってきた。

　そんな思いもあって30周年記念のコンサートでは、「夫婦舟」など全曲を歌って区切りを付けたつもりだった。


　しかし、そのたびに周りが三笠を盛りたてて、イベントという＜勲章＞を一つふたつと増やしていった。
　今回は「今は時代も変わって、大きなことをできないかもしれませんが、もしできれば」とも思う。

　三笠は歌手としてデビューする前は浪曲師である。四天王の１人と言われた浪曲師松平国十郎の門下生であったが、病気のために浪曲師を断念して歌手に。
　歌手になってからも彼女の歌は浪曲を取り入れた歌謡浪曲の要素が強く、今までも浪曲を忘れたことはない。
　そんな彼女の浪曲を聴くことができる。
　東京・浅草の木馬亭で１月30日に催される、浪花の浪曲師松浦四郎若とのリレー浪曲である。題目は師匠の国十郎の十八番であった「木曽の旅笠・仲乗り新三」で、三笠と四郎若が半々ずつ演じる。

　「浪曲を歌に取り入れることで、歌の魅力がふくらみ、芸の幅が広がります。今の私の財産ですね」


◆浪曲、歌、そして三味線、太鼓と多芸な人である。
　最近では日本画を描く。「のぞみ坂」の歌詞カードにも作品を載せている。

　中学生の頃から歌と絵画には秀でていたようだ。
　仕事は歌の道を選んだが、趣味としての絵画もプロはだし。
　「福岡の実家近く女性から教えてもらった」という日本画が、大小30点ほど書き溜まっているという。

　「出来のいい作品は誰にも譲りたくないし、悪いのは尚更他人に見せたくない。だから描いたものは全部持っているんです」と三笠。


◆新曲「のぞみ坂」は、本人が歌っていて気持ちがいい、という。
　きっと、これから思い出が詰まった楽曲の１つになるのだろう。
　デビュー曲の「洞海湾の竜」に始まって、大ヒットの「夫婦船」、浪曲テイストを盛り込んだ「木曽恋い鴉」「～桃中軒雲右衛門の妻～お浜」など、数多い歌のそれぞれに忘れられない思いがある。
　それもまた、三笠にとっての＜勲章＞であるようだ。



［三笠優子］
http://www.kingrecords.co.jp/mikasayuko/index.html
［三笠優子オフィシャルホームページ］
http://mikasa-yuko.co.jp/
［三笠優子オフィシャルブログ］
http://ameblo.jp/yuko-mikasa/

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