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羽山みずき、新曲「ひとつ花」 感情をストレートに表す主人公に新たな自分自身を見せる [インタビュー]

◆東京での生活も7年になるという歌手の羽山みずき(日本クラウン)。山形・鶴岡市出身で、「庄内弁の〈英才教育〉はみっちりと受けてきました」と笑ってみせる。そうはいうものの、標準語もかなり板についてきたようである。庄内人は多くを喋らず、以心伝心の文化が根付いているという。2023年3月に発売したシングル「ひとつ花」(作詞・峰崎林二郎、作曲・聖川湧、編曲・南郷達也)では、♫ 私一人を愛してください 〜 と感情をストレートに表現する女性を歌っている。羽山には驚きの、初めて演じる世界である。周りからは新しい羽山みずきを見るようだ、と云った声も聞かれる。

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写真・新たな歌世界に挑戦する羽山みずき


 「ひとつ花」の作詞は峰崎林二郎である。羽山にとっては初めて一緒に仕事をする作詞家である。作曲の聖川湧は羽山の師匠で、デビューから彼女の作品を手掛けている。

 作詞の峰崎は星野哲郎が主宰した作詞塾「桜澄舎」の門下生である。広告代理店でCM制作をしていた時に、ここに加わって作詞の勉強を始めたのが第1歩だったという。
 デビュー12年目の1988(昭和63)年には、坂本冬美の「ひとりの夏祭り」で第20回日本作詩大賞新人賞を受賞している。
 今も「歌の詩はこころの薬」という星野の言葉を大切に、詩を書き続けているという。

 「今作の歌詞が短いのに驚きました。わずか5行しかないのです。最近の演歌・歌謡曲では短いですよね。感情の波をどこへ持って行けばいいのか、とても難しかったんです」と羽山。
 多くを語らない庄内人と言えども、今までの作品との違い、この初体験の短さにはためらったようである。

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写真・年々表情も柔らかくなる羽山みずき

 感情の入れ所を迷った羽山が見つけたそれは、最後の5行目にある ♫ 私一人を愛してください 〜 であった。
 しかし彼女が今まで歌ってきた作品の多くは、主人公がはっきりと意思表示をせずに「淡い恋心をふわぁ〜と表現していたのに対して、今作は私一人を〜と、ストレートに主張しています。こんな主人公はいなかった」と戸惑いを隠せなかった。

 ところがファンからは「今までと違う一面を見ることが出来て良かった」とか、「カラオケで歌いやすい」などと、概ね好意的な声が聞かれる。
 しかも羽山自身も「短い歌詞は逆に聴いている人に伝わりやすい」と、今では前向きにとらえるほど。

 羽山は友人や年配者に「私一人を愛して、と言われたらどう思うか、とリサーチしました」と明かす。
 そんな事を言われると記者は、重たく感じて距離を置きたくなるのではーといった回答を想像した。ところが、なんとあらゆる層から「そのように伝えられると嬉しい」といった声が多く返ってきたというのである。

 確かに近くにそんな女性がいたら舞い上がってしまうかもしれない。
 でもこの主人公は好きになった人の何気ない様子や態度が不安で仕方がない、恋の始まりなのである。そんな気持ちを庄内人の羽山が表現すると、切なくもあるが甘酸っぱい青春歌謡のような恋歌になる。


動画

 その羽山が去年春から文化放送で初めてのラジオパーソナリティを始めている。毎月第3土曜日の午前3時から5時までの番組「ヴァイナル・ミュージック〜for.EK〜 #大人の歌謡クラブ」 がそれ。
 「毎日の生活の中から話のネタを集めてメモを取るようにしています。ゲストさんにはどうすれば話をしてもらえるかをいつも考えています」

 番組ではほぼ2時間を1人で話し続ける。寡黙でなかなか言葉で表さないという庄内人にとっては、またとない話すレッスンの場なのかもしれない。
 
※写真・記事の無断使用はお断りします。


[羽山みずき オフィシャルサイト]
https://www.sunmusic-gp.co.jp/talent/hayama_mizuki/
[羽山みずき 日本クラウン]
https://www.crownrecord.co.jp/s/c01/artist/hayama/news?ima=5229








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