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神野美伽(キングレコード) ブギの女王笠置シズ子を演じて、「東京ブギウギ」などオリジナル曲ばかり19曲を歌う きょう千秋楽 大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール [舞台]

◆往年の名曲をアレンジカバーして配信したり、米ロックフェスティバルで歌うなどチャレンジ精神旺盛なキングレコードの歌手、神野美伽が、ブギの女王と呼ばれた笠置シズ子の生涯を演じて歌う「SIZUKO!QUEEN OF BOOGIE~ハイヒールとつけまつげ~」を、2019年12月1日まで、大阪市中央区の大阪城公園内にあるCOOL JAPAN PARK OSAKA TTホールで熱演している。ラストステージはきょうの午後2時開演。

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共演者と踊る神野、出演する俳優は4人。何役も演じる

 笠置シズ子は1955(昭和30)年の「たよりにしてまっせ」を最後に歌手を引退し、その後、晩年まで芝居やテレビドラマなどで活躍した戦後を代表する歌手。昭和22年に大ヒットした「東京ブギウギ」が代表曲として知られている。
 そんな彼女の歌手としての第一歩は、戦前の大阪・道頓堀の松竹少女歌劇からだった。その後、東京・浅草の日劇国際劇場へと舞台を移し、敗戦で焦土と化した日本の多くの人々を元気付けた。

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 芝居は1948(昭和23)年、すでに日劇で人気を博していた頃、東京・有楽町のガード下で、1人の娼婦と出会うところから始まる。
 笠置は愛した男性や家族との死別、戦争中の厳しい統制といった悲しみの中でも、底抜けの明るさで好きな歌を歌い続けた。その負けん気の強さと歌が、周りの人たちを明るくしていく。

 神野美伽が演じる笠置シズ子は、まるで2人が同一人物であるかのような錯覚に陥る。前向きにいつも新たな挑戦を続ける彼女の姿が、そのように思わせるのであろう。今回の公演は「今年一番の挑戦でした」と話す彼女は、11月23日の公演初日間際まで、台詞を覚えたり役作りに苦心したという。

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ガード下で出会った<おゆき>とは生涯の友人となる

 神野が今回の公演の企画を初めて聞かされたのは5年前だったという。
 彼女は公演のパンフレットで「自分自身の表現で笠置さんの曲を歌うべきなのか。まだ煩悶していますけど、出会うべきして出会ったと自覚しています」と書いている。
 「今まではあまり笠置さんの歌を歌うことはなかった」(神野)が、約2時間のステージでは、代表曲の「東京ブギウギ」から「センチメンタル・ダイナ」「美わしのアルゼンチン・チナ」など、オリジナル曲ばかり19曲を聴かせてくれた。それに反して自身のオリジナル曲は1曲も歌わない。珍しい公演ではあるが、これが新たな神野ファンを作り出したようでもある。

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笠置になり切っての熱唱

 笠置の作品の多くは作曲家服部良一が手がけている。今回、神野が歌うのに際して、東京都内の倉庫に保管されていた笠置が歌った服部作品の譜面が提供されている。その中からは今まであまり知られていなかった、「買物ブギー」の歌われなかった部分の譜面も見つかり、この日は完全バージョンで披露した。
 また併せて歌った「大空の弟」は、戦死した弟を偲んで歌ったもので、新たに見つかった作品である。軍歌のようにも思える笠置の楽曲の中では異色の作品とも言われている。

 きょうの公演がラストとなるが、それを惜しむかのように、エンディングで神野は出演者や演奏者たちと一緒に「銀座カンカン娘」を歌った。観客も感極まって立ち上がっての拍手するなどしていた。再演を期待したい。


[神野美伽 オフィシャルサイト]
http://www.shinno-mika.com/
[神野美伽 キングレコード]
https://www.kingrecords.co.jp/cs/artist/artist.aspx?artist=13450








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