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秋岡秀治(日本クラウン) 「男の名刺」 多くの男性の心を揺さぶる 身近な素材をテーマに歌う新たな演歌 [インタビュー]

◆日本クラウンの歌手、秋岡秀治が2019年12月4日に出した新曲「男の名刺」。何やら変わったタイトルであるが、楽曲制作に際して秋岡が「身近な題材をテーマにした演歌に」といった提案から誕生したものである。内容はサラリーマンである男同士が心を通わせる友情の話。キャンペーン先では「男性に共感してもらえることが多い」と、評判は上々のようである。

秋岡秀治.jpg
名刺をテーマに男の友情、心の内を歌う


「僕は名刺を持ったことがないんですが、サラリーマンにとっては名刺とは特別なものなんでしょうか」
 秋岡秀治は日本クラウンのディレクターに、こんな質問を投げかけた。
 今まで惚れたり振られたり、不倫をしたり、といったテーマばかりを歌ってきた彼は、ここらで新しいテーマはないものか、と模索していたのである。そのひとつに社会人には欠かせない、と思われている名刺をテーマに演歌が出来ないかと頭に浮かんだ。

秋岡秀治・男の名刺.jpg 曲はいつも通り岡千秋に決まっていたが、作詞家はまだだった。早速、ディレクターが名刺をテーマに書けないかと何人かに当たって、売れっ子の麻こよみが書くことになった。麻は秋岡の詞を書くのは、これが初めてであった。編曲はデビュー曲以来の付き合いという南郷達也が、3作ぶりに担当した。
 出来上がってきた詞のタイトルは、そのまま「名刺」であった。演歌らしさを出すために、デビュー曲の「男の酒」にあやかって「男の名刺」にした。

 「皆さんにこのタイトルを言うと、必ず聞き直すんですよ。それほど『名刺』って、演歌では珍しいのですね」

 でも評判はいい。
 「この歌は、わしの人生そのままや」
 と、キャンペーンで歌を聴いた男性はCDを買ってくれた。
 ♪ 男の名刺 涙と汗が沁みている 〜 家族守って 生きてきた 〜
 1行1行にサラリーマンの悲哀がある。
 多くの男たちが涙もするところである。

 これに対してカップリングの「逢いたい夜」は、女性の人気が絶大である。「演歌っぽくないんですね。作曲は同じく岡千秋で、作詞・編曲ともにメイン曲と同じである。
 「いつもはCDを買わない人も、これを聴きたい歌いたい、と買ってくれるんです」
 しかも作曲家の岡は「メイン曲にいいんじゃないか」というほどで、これには秋岡は「これまで歌謡曲っぽい楽曲が続いていたんで」と、演歌の「男の名刺」を推したというエピソードもあるほどだ。


 ところで2019(令和1)年は秋岡にとってどんな年だったのだろうか。
 「大変な1年でしたね」
 住まいを東京都内から千葉・木更津市に移しているが、今秋2度に渡って千葉を襲った台風は県内に大きなつめ跡を残した。彼の自宅は被害を受けなかったものの、衣装など大事なものを車に乗せて避難を準備したほどだった。

 11月には父親で漫才師の平川幸男を亡くしている。14日が葬儀で、翌15日には東京都内で「男の名刺」のプロモーションビデオの撮影をするといった超過密スケジュールの中での出来事だった。

 平川幸男とは親子で2014年夏に父子初のデュエット曲「浪花の父子酒」(日本クラウン)を出している。病床で平川はタブレット端末の画面をタップして「葬儀ではあの曲のキャンペーンで着た浴衣を着せてくれ。遺影には当時のアーティスト写真を」と、しっかりとした言葉で秋岡に頼んでいる。

 「最後まで芸人魂を見せてくれていました」
 秋岡はこう振り返る。 平川も名刺を持ったことはなかったのだろうが「男の名刺」は、父親を偲ぶ歌かのようでもある。





[秋岡秀治 オフィシャルサイト]
http://akioka-syuji.com/
[秋岡秀治 日本クラウン]
http://www.crownrecord.co.jp/artist/akioka/whats.html








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