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五木ひろし・坂本冬美、2020年1月新歌舞伎座特別公演  歌謡界の2大スターが共演   「沓掛時次郎」と2人の歌謡ショー [舞台公演]

◆新歌舞伎座が大阪・難波から上六に移転、新開場してから来年で10周年を迎える。それの記念公演第1弾は、五木ひろし特別公演である。初日は2020年1月9日で、2月9日まで。坂本冬美が特別出演するほか、1部の長谷川伸原作の芝居「沓掛時次郎」には笹野高史、松金よね子、太川陽介らが共演。2部は五木、坂本による「初春オン・ステージ」。初日にリリースされる2人のデュエット曲「グラスの氷がとけるまで」も初披露される。

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新歌舞伎座開場10周年記念五木ひろし特別公演の出演者


 五木ひろしにとって来年は、今の芸名を名乗って50周年という節目の年。しかも新歌舞伎座では33年ぶりで、合わせて6回目の公演になるといった長谷川伸の名作「沓掛時次郎」を演じる大役を引き受けた。
 公演1部の「沓掛時次郎」は脚本土橋成男、演出金子良次の時代劇。五木演じる信州・沓掛の博徒・時次郎は、一宿一飯の義理から博徒・六ッ田の三蔵(太川陽介)を斬ってしまう。三蔵には身重の女房・おきぬ(坂本冬美)と幼子がいたが、時次郎は母子を守り、親元へと送り届ける旅に出る。それに追手がせまる。義理と人情の博徒の生き様を描いた作品である。

 共演の坂本冬美が五木の役どころである時次郎を「男として筋を通す格好良さと、うちに秘めた優しさと温かさが魅力」というと、五木は「この作品は私にとって、最も思い出深く、数多く演じてきた作品です」と応える。それだけに「最初に演じたのは30代半ばで、その頃と同じ想いをぶつけて、皆さんに感動してもらえる公演にしたい」と、彼は意気込みを見せる。

 五木が初めて新歌舞伎座で沓掛時次郎を演じたのは1978(昭和53)年である。この時に演出をしたのが長谷川一夫であった。当時、長谷川は宝塚歌劇の「ベルサイユの薔薇」も演出しており、演出家としての才能を発揮していた。
 「その時の『沓掛時次郎』は長谷川先生の時次郎であり、今回の芝居とは内容が異なっています。その後、新歌舞伎座では1987年にも行なっているなど、3回目の新歌舞伎座公演です」

 五木にとっての沓掛時次郎は「シリアスで人情味あふれる義理人情いっぱいの芝居で、後世に残したい大好きな作品です」という。
 しかも「立ち回りも多く、男女の愛、男と男の義理人情のすべてが含まれ、さらになんとも言えない色気や哀愁もある」など、娯楽時代劇の要素がふんだんに盛り込まれている。
 ところが「こういう芝居を演る人が少なくなってきている。改めて上演することで、後の世に受け継いでいきたい」と、彼は久々の舞台に意欲を示す。

 前回までの芝居と違う、新たな見所は。
 「今までと大きく変えたいという気持ちはありません。ただ役者さんが変わることで、皆さんがどのように表現するかを楽しみにしており、新鮮な気持ちで時次郎を演じたい」と五木。

■坂本が初の妊婦役

 坂本冬美が五木と共演するのは1昨年、やはり新歌舞伎座での「夫婦善哉」に出演して以来で、今回で3度目である。
 来年52歳になる坂本は初めての妊婦役を演じる。「52歳の妊婦姿を見てもらいたい」と意気込む彼女は、DVDで長谷川稀世が演じた同じ役どころを猛勉強して本番に臨む。しかも「舞台で披露しようと、五木先輩から頂いた三味線にもチャレンジする」という。

 「デビュー4年目の年に初めて五木さんの舞台に出たのが、今回の舞台につながっています。私の役どころは長谷川稀世さんが演じられたおきぬをですが、それだけにプレッシャーはあります。自分が座長の時には出来ない芝居を試みたい」
 おきぬは亭主(太川陽介)を時次郎に殺されてしまうが、時次郎の情けに徐々にほだされていく。
「好きという気持ち、愛情に変わっていく気持ちを口に出せない気持ちの揺れを表現する難しさがある。今まで演ったことのない勇気のいる役です」と坂本。

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 笹野高史は過去にも五木と共演したことはあるが、今回の顔合わせは約10年ぶりである。笹野は安宿の亭主の役。その妻が松金よね子である。2人と時次郎との絡み合いは、シリアスな芝居の中にもほんのりとした笑いを醸しだす。
 その笹野、「子供の頃見ていた作品に出演するって、夢のようです。長谷川伸原作の作品、なかなか演ってくださる方がいないんですが、五木さんが演られるのは嬉しいですね。ワクワクしています」と嬉々として話す。

 相手役の松金かね子は「時代劇が少なくなっている今、五木さんの殺陣、坂本さんの妊婦姿など、楽しみな芝居です。自分がどのように演じられるか分かりませんが、お客様と同じように楽しみにしています」とし、また還暦を迎えた太川陽介は2年ぶりの新歌舞伎座での正月公演。「今までの時代劇ですと町人か同心役でしたが、初めて博徒を演じます。どんな役柄を作っていけるか、自分でも楽しみにしていますので、期待していて下さい」

 時次郎役の五木をはじめ共演者それぞれが初日の幕が開くのを心待ちにする。
 中でも五木がこの芝居のすべてと指摘して楽しみにするのは、除幕の三蔵とおきぬの芝居である。「ここさえうまく進めば、その後はすんなりといきます」というほどに、五木が最も重視するシーンでもある。

■デュエットの新曲も披露

 2部の歌謡ショーの聴きどころ見所は、五木の新たなシングルと五木と坂本によるデュエット新曲披露だろう。
 五木の新曲は2月に出すシングル「春夏秋冬・夢祭り」という賑やかな楽曲。またデュエット曲は「グラスの氷がとけるまで」で、新歌舞伎座の舞台で初披露する。五木の「麗しきボサノバ」の新たなカップリングとして、公演初日にリリースすることになっている。

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五木ひろしと共演の坂本冬美(右)

 ショーは坂本のドレス姿で「また君に恋してる」や男歌の「俺でいいのか」などを聴かせながら、デュエットソングも披露する。五木のニューシングル「春夏秋冬・夢祭り」では、出演者全員がステージに勢揃いして、揃いの浴衣姿で踊りながら緞帳を下ろす。最後の盛り上げる場面である。

 五木は「今年は歌手生活の55周年でしたが、来年は五木ひろしの50周年目になります。今年は(今公演を足がかりに)それに相応しい1年にしたい」と、話している。


[五木ひろし オフィシャルサイト]
https://www.itsuki-hiroshi.co.jp/
[坂本冬美 オフィシャルサイト]
http://fuyumi-fc.com/letter/?y=2019&m=1
[新歌舞伎座 五木ひろし特別公演]
https://www.shinkabukiza.co.jp/perf_info/20200109.html








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